QEMU-Puppy を日本語で使う

あ、今日は日本では4月1日ですが、エイプリル・フールのネタじゃないですよ。何せこちらはまだ3月ですから。

それはさておき、Puppy Linux は何度か紹介してきましたが、軽量ライブ CD であって、CD にデータを記録できるという点で非常にユニークかつ実用性の高いディストリビューションだということがお分かりだと思います。

でも、やはりパソコンをいちいち再起動するのは面倒だし、出先で再起動させてもらえるパソコンを使わせてもらえる可能性は少ないですよね。再起動させてくれるくらいなら、そのまま使っていいよという場面の方が多いと思います。何より
CD-R を持ち歩くのって思った以上に不便
ですから。

そこで QEMU-Puppy の登場です。これは、QEMU というエミュレータ (仮想マシン) に Puppy Linux をインストールし、それを USB メモリなどで持ち歩くという発想です。もちろん CD-R でもいいのですが、パソコンを起動させる必要はないことから bootable かどうかの心配が不要のため、小型のフラッシュ・メモリで十分な訳です。USB メモリも安くなりましたしね (この前ある店で、4 GB の USB メモリが69ドルで売ってましたよ)

通常エミュレータを使うには、パソコンにエミュレータをインストールしなければなりません。でも QEMU はインストール不要で、クリックするだけで起動できます。まだバージョンが0.9で開発途上にあり、速度も遅いのですが、LinuxWindowsFreeBSDMac OS X で使えるという柔軟性があります。また、パソコンへのインストールが必要になりますが、アクセラレータを使うと、それなりに高速になります。外出時に一時凌ぎでメールなどの用途を考えるなら、これで十分でしょう。

という訳で、QEMUPuppy Linux を足した QEMU-Puppy (← そのまんまや) は重宝しそうだということが分かりますね。しかし、QEMU-Puppy は英語版しかなく、日本語が通りません。

それじゃ、
日本語版を作ってしまえばいいじゃないか
ということで、実はちょっと実験をしてみました。QEMU-Puppy のサイトにある仕組みの解説を参考に、設定などを変えてインストールとかしてみたんですよ。でも (本気じゃなかったこともあって) なかなかうまくいきません。

んー、ちょっと面倒かなと思ったので、ダメ元で中身だけ入れ替える奥の手を使ったら、簡単にできちゃいました。やり方はこうです。

1) QEMU-Puppy (qemu-puppy-2.14-1.tar.gz) を本家サイトの指定先からダウンロードして、USB ドライブやハード・ディスクなど任意の場所に展開する (ファイルは tar.gz なので、Win-Zip で解凍すれば tar ボールの展開までやってくれます)

2) 日本語版 Puppy Linux の ISO をダウンロードして CD-R などに焼く (こことかに書いた以前の記事を参照してください)

3) QEMU-Puppy 内にある pup_214.sfs ファイルを、(2) で作った日本語版 Puppy Linux の CD にある pup_214.sfs ファイルと入れ替える

4) QEMU-Puppy 内にある puppy.exe をダブルクリックして実行する


これだけです。気をつけるべき点は、QEMU-Puppy で使われている Puppy Linux のバージョンと日本語版 Puppy Linux で使われている Puppy Linuxバージョンを一致させるということです。これは、特殊な設定で Kernel を呼び出している構造のため、バージョン番号が変わると動作しない可能性があるからです。

ただ、これはいわゆる奥の手なので、表示が日本語でなく英語に戻ってしまうなどの至らぬ点はあります。でも、日本語の読み書きが不自由なくできるのはありがたいことです。

また、これがライセンス違反などに相当してないかどうかは未確認です。QEMU-Puppy 自体は GNU General Public License (GPL), version 2 の下で公開されているので問題ないと思いますが、日本語版 Puppy Linux については (知らないだけかも知れませんが) 明示されたないみたいなので。プログラムの改変まではやってないので、大丈夫だと思いますが。。。

ここではあくまで、そういうことが出来るという事を示しただけなので、それ以上のことは各自の責任において行ってください。また、ライセンスに関して、問題があるとかないとかの情報を寄せていただけると嬉しいです。違反してないのなら、堂々と使えますからね。