仮想マシンでライブ CD を楽しむ


ライブ CD もいろいろ紹介してきましたが、「いちいち再起動して試すのは面倒だし、そんな暇ないよ」とお嘆きの方もいらっしゃるでしょう (← 自分! 自分!)。で、そういう大変なことはなるべく避けたいので、ライブ CD を仮想マシンに入れてみるということについても書いてみたいと思います。

前にもちょっとだけ書きましたが、Dreamlinux を使ってみたんですよ。ISO をダウンロードして DVD に焼き (本当は CD に焼くつもりが間違えてしまいました)、いざメインマシン (実機) で起動してみると、途中で青い画面のまま進みません。んー、んー、何でだ?

で、本家のフォーラムを見てみると、同じ症状の人がいました。どうやらビデオ・カードとの相性が合わないことが原因のようです。でも、ビデオ・カードの設定を変えたりするのは大変だし、それでうまく行くとは限らないし、そんなことしてる暇はないしなぁと考えること数分、「仮想マシン」を使おうという結論に達しました。

仮想マシンなら、ホスト・マシンとは別のビデオ・カードが使われていますから、運がよければうまく動くはず。それに、ダメだったとしてもホスト・マシンには全然影響ないし、途中で止めることもできます。

ということで、まずは仮想マシンを物色することになりました。いや、実はすでに VMWare を使っているのでそのまま使えばいいんですが、たまには違うものもいいかなと思ったもので。。。

仮想マシンを実現するアプリケーションは、実は他にもたくさんあります。このうち、(商業用で) Windows 上で使える有名なものは、前述の VMWare と、Microsoft が資金力にものを言わせて買収で手に入れた老舗の VirtualPC の2つです。実はどちらも無料で手に入ります。この他にも QEMUBochsVirtualBox などがありますが、これはまた別の機会にしましょう。

Microsoft は昨年、それまで1万5000円弱で売っていた VirtualPC 2004を無料にしてくれました。そしてさらに今年、新しい VirtualPC 2007無償版のダウンロード提供も開始しました。こちらの方は、Windows Vista をインストールすることもできるし (今のところ関係ないですが)、64ビット・アーキテクチャにも対応しています。

一方、VMWare Workstation というのは有料です。でも、サーバー版の VMWare Server なら無料で使えます。これ、MS のサーバー製品上でしか動作保証してないのですが、XP でも動きます。あと、登録が必要ってところが気に入りませんが、VirtualPC よりもかなり高機能です。

それと、VMWare Player というものもあります。これは新しく仮想マシンを作成することは (基本的に) できないのですが、ゲスト OS のインストールなどはでき、無料で使えます。で、仮想マシンの作成も、実はできちゃったりするんです (ライセンスに違反してないのかどうかは知りませんが)。ここでは紹介しませんが、VMWare Player だけで仮想マシンを作る方法や、QEMU で作る方法など、Google などで検索すれば情報が出てきます。

ちょっと VirtualPC に話を戻します。基本的には新しいバージョンを使う方がいいですが、古いものの方が情報は多いですし、2007は Windows VistaWindows XP または Windows Server でないと使えません。また、ゲスト OS として DOS は対応してないので、事情に応じて2004を選ぶといいでしょう (もちろん Linux はゲスト OS として公式にサポートされていないので、ある程度実績のある古い方がいいかも知れないし)。

ちなみに、Microsoft の VirtualPC サイトからまともに入ると、2004のダウンロード・ページに行けません (2007の方に飛ばされます)。ここから入ってください。

それから、VirtualPC 2004については、非公式サイトでどんなゲスト OS が動作するかの詳細なリストが公開されています。何と Puppy Linux についても (バージョンは古いですが) 掲載しているんですね。すごい。英語なんですが、かなり訳に立つページだと思います。

前置きが、めちゃくちゃながーくなってしまいましたが、いよいよ本題です (え”っ?)VMWare なり、VirtualPC なりのインストールについての説明は省きますので、仮想マシンができたことを前提に書きます。

仮想マシンでは、仮想のハードディスクを作る訳ですが、ライブ CD を使う場合にはハードディスクのことは適当で構いません。場合によってはなくても大丈夫だと思います。でもせっかくだから作っておいた方がいいでしょうけど (ライブ CD が気に入ってハードディスクにインストールしたくなるかも知れないし)。

ここで注意することは、CD からの起動がサポートされているか、または設定されているかを確認しなくちゃならないってことです。CD から起動できない仮想マシンでは、ライブ CD を楽しむことができませんので。まあ、VMWareVirtualPC も基本的には CD からの起動をサポートしています。もし起動できない場合は、ライブ CD の方に問題があるか、仮想マシンの設定が間違っているかのどちらかです。

ただし、無事起動できたからと言って、最後までうまく行くとは限りません。起動プロセスの途中で止まってしまうこともあるからです (冒頭に書いた例のように)。

うちで Dreamlinux を試したとき、ホスト・マシン (つまり実機) でうまくいかず、VirtualPC 2004でも同じ状況になって断念し、VMWare Workstation で試したら簡単にうまく行きました。VirtualPC 2007や VMWare Server だとどうなるか分からないのですが、うちは Windows 2000をメインで使っているので、そのために Windows XP を立ち上げるのが面倒なんです。VMWare Workstation でうまく行ったし、それはそれでよかったということで。

でもね、VMWare では、VMWare Tools というものをインストールしないと、解像度も低いままだし、マウスを仮想マシンから出す時にショートカット・キーを押さないとダメなんです (VirtualPC も似たようなもの)。ちょっと面倒。しかもこの VMWare Tools はゲスト OS に対してインストールするものなので、ライブ CD (=書き込み不可) にはインストールできない。だからこれじゃ不便で仕方がない (Puppy Linux なら CD に書き込めるらしいですが)。

Dreamlinux は評判もいいし、実際に仮想マシン上で見るとすごく綺麗で気に入ったので、ハードディスクに入れたくなりました。もちろん仮想マシンのハードディスクに。ライブ CD としてはうまく実行できたので、たぶんハードディスクへのインストールも問題ないと思うんですが、こればかりはやってみないと分からないですね。最近ついてないから、うまく行くかどうか心配だなぁ。