タイミング

この世で一番肝心なのは素敵なタイミング♪song by 坂本九)

この歌、子供の頃に CM で流れていたのが耳についているのですが (すっごい歳バレ!)、子供心に「ふんっ、タイミングなんかよりずっと大事なものなんかたくさんあるじゃんか!」と不満に思ってたんですよ。でも、大人になってから、タイミングというものが、どれほど物事を左右するのかっていうケースを何度も目にして、だんだんと、この言葉は何て奥が深いんだろうって思うようになりました。

そして今、改めてタイミングの重要性を思い知らされました。。。



このところ求職活動を続けているわけですが、実は1社、最初の書類選考と1次面接を通過し、更なる書類審査も通って、バックグラウンド・チェック (バックチェック) の段階に入ったところがあります。これが通れば採用にかなり近づく訳ですが、まだライバルがいる段階なのでどうなるか分かりません。

しかし、あろうことか、このバックチェックで問題が発生したんです。

北米では人を採用する際、ある程度の規模の会社になると、過去の仕事でどんな働きぶりだったのか、履歴書で嘘が書かれていないか、人柄や協調性および適正はどうだったかといったことを、前職の上司に直接連絡して確認したりします。会社の人事担当者が行う場合もありますが、個人情報が絡む問題のため、それを専門とする第三者機関に依頼して行うこともあります。今回はこのケースです。



バックチェックは過去の仕事以外にも、犯罪歴がないかとか (警察当局での照合が行われます)、現在および過去数年間における住所とそこでの居住期間など、あらゆる個人情報が集められます。免許証などの ID のコピーを提出することも要求されます。まだ採用前の段階でここまでするのかよってほど、厳密な調査です。

ま、犯罪歴がなければあとは職歴が重要になるのですが、普通のサラリーマンならこれも特に心配することではないでしょう。社内で問題を起こしたとか、上司に物凄く嫌われていた、などという場合は不安ですが、調べる側もプロですから、その辺は客観的に判断するのだと思います。もちろん、仕事ができない人とか、サボってた人は、元上司がかばってもたぶんばれるんだと思います。

しかし、今まで8年以上もやってきたフリーランス翻訳者という職では、ずっと一人で仕事をしていたため、上司などいません (部下もいませんけど)。そのため、現在および過去の職場での上司をリファレンスとして提出しろという要求事項に対して、翻訳者となる以前の過去の会社に問い合わせ、当時の上司の連絡先を聞き出さないといけません。

ま、それも普通は難しいことではないでしょう。でも、過去に勤めていた会社が軒並み倒産しているとなると、話は別です (カナダで働いた4つの会社のうち、直近の3つが倒産してます / 汗)。当時の上司を探すどころか、会社そのものが存在しないので、特に10年以上も前の会社になると当人の行方さえ分からない可能性が高いのです。(倒産した会社であっても、その当時の上司であればいいそうです。)

さらに、そのうちの何人かは、会社が存続していても退職していたり、転職してしまっているため、今どこにいるのか分かりません。一番お願いしたかった人は、2年前に亡くなってますし。。。また、カナダの会社に日本から赴任してきた人もいたので、その人たちはすでに帰国してしまっており、今すぐに連絡が取れないケースも複数あります。

そう、今日本はゴールデン・ウィーク真っ只中なので、日本での新しい勤務先や部署が分かったところで、休み明けまで連絡取れないんですよ。

さ・い・あ・く・の・タ・イ・ミ・ン・グぅ〜

おまけに、こうした不利な条件に追い討ちをかけるように、「今回応募した会社でバックチェックを受けている人は他にもおり、チェックが済んだ人から順に選考手続きが進められてしまう」と宣告されちゃいました。つまり、どんなに素晴らしいリファレンスが見つかっても、合格ラインにいる他の人より遅ければ、その時点でアウト。厳しい。

これって、やっぱりこの会社には縁がなかったということでしょうかね。あまりにも条件が悪すぎです。こんなに連絡が取れない人ばかりだなんて、チェックする側からしたら、嘘ついてるんじゃないかって疑うでしょうね。でも、悲しいかな、これ全部事実なんですよ (泣)。ありえないでしょ!



まあ、本来北米で就職活動する時には、あらかじめリファレンスを用意しておくべきなのですが、幸か不幸か、今まで必要になるケースはなかったんですよねー。しかも今回はいきなり3人も要求されたし。

あー、今回はさすがにダメだろうなぁ。一応リファレンスになってもらえそうな人に必死に当たってますが、このブログを書いている時点ではまだ誰からもオーケーをもらえてません。恐らく、日本のゴールデン・ウィーク明けでないと連絡取れないだろうなぁ。そしてその時点で、すでに他の人の採用が決まっていることでしょう。

タイミングっていうのは、やっぱりものすごーく大事なものなんですね。今回ほど、この事を思い知らされたことはありませんでした。

(タイミングの馬鹿やろうぅ!)