ロボットとかアンドロイドとかサイボーグとかヒューマノイドとか

先日、例会と称して ご馳走を頂いてくる 教養あるお話で充実した時間を過ごすために K さんのお宅に伺ったとき、「幻肢痛」の話が出ました。日本の番組を集めたチャンネル (ケーブル) を見ておられるので、たぶんこの番組をご覧になってお話されたと思うのですが、事故で腕を失った後、ないはずの指が痛いなどと感じることについての内容でした。

この痛み、腕に残っている神経が刺激されて痛いと感じるのではなく、脳が昔の痛みを記憶しているために起きるのだそうです。なので、その痛みをなくすには、痛くない時の記憶で痛い時の記憶を上書きすればいいというのです。

番組 (の説明) では、鏡の側面に患者を立たせ (鏡面は向かって左または右にある)、失った腕側を鏡の裏にして、鏡面に映したもう一方の腕を見ることで、それが失った腕だと脳に思い込ませて治療します。鏡に映った腕はもちろん虚像なんですが、脳がそれを失った腕だと錯覚してしまうので、「ちゃんと動いているじゃん! 痛くないじゃん!」とか思って、昔の痛みを忘れてしまうそうです。

人間の脳っていうのは、凄いですよね。

でも良く考えてみると、脳っていうのは、いかにいい加減かという言い方もできます。だって、現実に存在しない自分の手 (幻肢) を感じてしまうんですから。つまり、五感で感じたものが実在するかどうかっていうのは、かなり怪しいってことです。

よく「自分の目で見たものしか信じない」なんて人がいますが、その目で見たものが本当に存在するものなのかどうか、分からない訳ですよ。物があるとかないとか、どんな色や形をしているかとか、目の前にいる人が実在しているのかどうかとか、脳がどう思っているかに左右されちゃうわけです。
(もしかしたらあなた自身も、この宇宙も、単なる錯覚の中の出来事かもしれませんよ!)

ほら、「ビューティフル・マインド」って映画があったでしょ。ノーベル賞を取った人の話ですが、この人は幻覚に悩まされている。大学に入った頃から友人だと信じていた人が、その娘が、そしてスパイのエージェントが、ずっと彼に付きまとうのですが、この3人は幻覚なんです。しかも、幻覚と気がついた後も見えつづける。天才の脳でさえ、間違っちゃう訳です。

だから、「自分の目で見たものしか信じない」なんて事を言う人は、かなり騙されやすいのかも知れませんね。



で、話を元に戻すというか、さらに発展させるとですね、腕を失った人に義手をつけたとき、それが脳に直結していれば、思いのままに動かせるだろうってことも何となく分かりますね。実際、感電事故で両腕を失った男性 (ジース・サリヴァン氏) が、考えるだけで動かすことのできる義手を取り付け、実在するサイボーグになっています (世界初のサイボーグとも言われています:NHK スペシャルでも放送したようですね)。これも凄いですよね。

事故で失ったり、病気で切除せざるを得ない人体の一部を、こうやって機械で置き換えるだけでなく、脳と直結させて融合させてしまうサイボーグ技術。非常に有用な技術だとは思いますが、クローン技術とは違うものの、これも倫理的な部分で今後問題が出てくるのかも知れませんね。    (大部分が機械だったら (例えば脳以外全部)、果たしてサイボーグと言えるのか、人権はどうなるのか、とか)



ところでこのサイボーグ、Wikipedia によると、基本的には人体の機能を機械で置き換えたり補強した人を指す言葉です。なので、ペースメーカーなどの人工臓器等を埋め込んだ人はもちろん、メガネやコンタクトレンズ、果てはかつらを被った人も、広義ではサイボーグって言えるらしいですよ (うひゃー、サイボーグだらけだ)

で、サイボーグは元が人間であることが肝要ですが、似たような言葉にはロボットとかアンドロイドとかヒューマノイドって言い方があります。これは、元が人間でないという部分で共通してますね。

ロボットは、人の代わりに何等かの作業を行う装置、若しくは「人のような」装置であって、あくまで機械です。アンドロイドは、人によって製造された、人間を模した機械のことだそうです。アニメで言えば、アラレちゃんとかです。そしてヒューマノイド人間に似た姿をしているが人間ではないものだそうで、ドラえもんのようなネコ型ロボットは、やっぱり「人間っぽい」ところがあるので、たぶんこれですね。宇宙人も、人間に多少似ていればヒューマノイドでしょう。精巧にできたお人形さんもそうかな。

(注:各定義はやっぱり Wikipedia を参照してます)

すると、単なる装置ではなく、人間のような意志や心を持ったロボットで、人間の形とは違っている場合はどうでしょう? やっぱりロボット?

まあ、ロボットが意志を持っていたとして、その意志の存在を確かめる手段というのはまだ確立されてはないでしょうね。意志の疎通ができるかどうかだけでは、意志の存在は一概に決められないはずですから。すると、まるで意志を持っているように見える場合は、どうなるんでしょうか?

例えば「スケボーするロボット」とか、


例えば「自転車を漕ぐロボット」とか、


例えば「家政婦ロボット」とか


だって、プログラムされているのは意志じゃないって、必ずしも言い切れないじゃないですか。人間の意志だって、ある種のプログラムみないなもんだろうし (DNA なんてまさに一種のプログラムでしょ)。まあ、上に挙げた例は明らかに意志じゃないと思いますけどね。(ごめんなさい、単に動画を入れてみたかっただけなんです。)



まあ、そんなことは議論しても答えが出ないと思うので、1つ面白いアンドロイド短編映画でも観て、アンドロイドの気持ちでも考えてあげましょう。   (約10分です。超お勧め!)


と言うか、本当はこの映画をブログに埋め込みたいだけに書いた記事だったりして。。。



おまけ:

月面のアンドロイド?    (^^;