マイクロソフトがバンクーバーに進出

地元のニュースなんですが、日本の知り合いからのメールで知りました。どうやら本当らしいですね。カナダ国営放送のサイト (www.cbc.ca/cp/technology/070705/z070502A.html) をはじめ、あちこちのニュースにも出ているようですし、今秋には開発センターが開設されるそうです。

バンクーバーのある BC 州には、すでにいくつかのハイテク企業があります。でも、州政府があまりハイテク企業の誘致に熱心ではないんですよ。税金が高い。なので、大きく育たない。理由はよく分かりませんが、地元ではかなり前から、もっと企業誘致をすべきだとの声があったんです。それなのに、後押ししてるのは映画業界くらいじゃないでしょうか。

役人ってのはどこの国でも、市民の声に耳を傾けないんですね。

ただ、バンクーバー市内、とくに利便性の高い場所にはあまり土地がありません。近隣の市、中でも中国系移民がカナダ一多いリッチモンドには土地が余っているので、そちらに持っていかれてしまうという事情もあり、それゆえ誘致しずらいのかも知れませんけどね。

さらに今は、2010年のオリンピックを控えてか、土地や住宅の価格が急騰しています。ダウンタウンなんて、コンドミニアムの価格が7〜8年前の倍以上になってるんですよ。さすがに上げどまりの時期にさしかかってますが、これから下がる気配もなさそうです (固定資産税も同様に上がって大変です)。

countdown
美術館前の庭に設置されている、2010年冬季オリンピックまでのカウントダウン。7月6日現在で、あと980日です。

a quickr pickr post

マイクロソフトバンクーバーに開発センター開設を決めたのは、アメリカにいる海外からの技術者が合法的にアメリカで働けなくなる可能性があるためらしいです。
その穴埋めとして、
カナダに目をつけたと言うことですね。つまり、アメリカで唾をつけておいた技術者をバンクーバーに送り込み、そこで働かせようという魂胆でしょうか。

もしそうなら、カナダ側にはあまりメリットがないかも知れません。だって、アメリカに移民したいけどできない優秀な技術者をごっそりカナダに送り込んで、アメリカのマイクロソフトのために働かせる訳ですから。言い換えれば、すでにカナダにいる技術者を取り込む (=地元の雇用を拡大する) のではなく、外からさらに増やした上で、(言い方悪いですが)
上澄みの優れた技術者だけをすくい取り、成果は地元に落とさずにアメリカに流してしまう
という寸法です。まあ、勝手な想像ですが、ありえなくもない話じゃないですか?


でも、マイクロソフトが本格的に進出してくれば、他の IT 企業や業界への刺激にはなりますね。そういう波及効果まで考えると、カナダ側にも恩恵はあると言えるのかな。恩恵というより、おこぼれという感じもしますが。。。

とは言え、今は景気も良くて様々な業種で人手不足が深刻なバンクーバー。雇用全体のバランスに与える影響も少なくないのではないでしょうか。


いずれにしても、秋になれば、どういうことなのかはっきりするでしょう。どのみち採用予定者のほとんどは技術者。一般事務系はもちろん、翻訳なんて対象外だろうから、関わりのないことですがね。元々、どちらかと言うと、アンチ・マイクロソフト派だし (と言いながら社員の人数人と知り合いだったりしますが)、ここは一つ、静観させてもらいましょう。    何様?