シアトル一泊旅行

**注意:久々なのでかなりの長文です**

今日は7月1日、カナダ・デーです。カナダの誕生日ですね。国内各地で様々な催し物が開催されていて、夜には花火も上がります。今日も含めて週末は雨の予報だったのですが、今のところ降ってません。だんだん怪しくなってきたものの、気温も20度を越えて過ごしやすいホリデーになりました。

この時期はちょうどジャズ・フェスティバルも市内各所で行われているのですが、美術館の前でもやってました。でもその広場には、マリファナ合法化を唱える怪しい集団がプカプカやってました。近くの道路を通るときは、ものすごい臭いでした。


さてシアトル。思い起こせば、ちょうど10年前のことです。カナダ永住手続きの最後の難関である面接を受けたのは、シアトルでした。緊張、そして不安。申請をアメリカで行い、日本でこの日を待っていたこのシアトルで、しかし残酷な結果が待っていました。

「君たちはまだ若いから、またチャレンジできる」

面接官の淡々とした声。諦めきれずに粘りに粘り、担当弁護士も例がないという長時間の面接試験でしたが、最後は申請料の返金についての説明でした。 (あれ?)

でも、帰国後一ヶ月ちょっとして弁護士事務所から連絡があり、思いもしなかった「合格しましたよ」の声を聞いた時は、本当に涙がでそうでした。 (あれあれ?)

そんな、いい思い出がない (というか、落胆でほとんど何も覚えていない) シアトルに、リベンジよろしくショッピング旅行に行ってきました!

(前書き長いよ)


面接の時は日本から直行の飛行機で行ったのですが、今回はバンクーバーから車で陸路による入国です。国境で時間がかかるというのは予想していたのですが、予想以上に混んでいたのでびっくりでした。車の列に並んだ時間が約40分。その後入国手続きに15分ほど。平日の水曜日だったのに、国境を越える人って結構多いんですね。

国境越えには、アメリカ入国側のチェック・ポイントとカナダ入国側のチェック・ポイントが、(当然ながら) それぞれ国境線の内側にあります。国境の部分には大きなゲートがあって、歩いている人は両国のチェック・ポイントまでなら自由に行き来できます。何か、
こんなんでいいの?
って感じでした。

国境のゲート
国境線上にあるゲート。車がノロノロ運転で進むので、中には車を降りてゲートを見物に出歩く人もいました。のどかな国境ですね。

国境線
ここが国境線です。石が建っていて、カナダ側にはCanadaと書かれています。

Welcome to the United States of America
国境線を越えた検問所までの短い距離の芝生に、こんな看板がありました。ちなみにカナダの看板はもっと地味でした(写真とりませんでしたが)。


その日は生憎の曇り空でしたが、気温はそこそこあって、日差しが強ければかなり車内の温度が上がったはずです。ドライブにはちょうどよかったのかも知れません。


国境を無事通過すると、フリーウェイの I-5に入ります。ちなみに国境は276番出口にあたります。ここからシアトルまではまっすぐ一本なんですが、途中229または230番出口で降りると左手に小さなアウトレット・モールがあり、そこでちょっと休憩しました。

このモールは正直言うとかなりさびた感じなのですが、ブランド物の店 (と言っても Gap とかですが) も結構あり、広くてちょっとした穴場的存在です。しかも店舗数が結構多くて、ざっと回るだけでも車でないと厳しいほどです。ここでは、知り合いに双子の赤ちゃん (男の子と女の子) が生まれたので、かわいい涎掛けを買いました (すみません、写真撮り忘れました)。値段はなんと二人分で5ドル (もちろん米ドル) ほどだったと思います。一応ブランド物ですよ。安い安い。


しかし、それ以外には大した獲物は見当たらなかったので、先も長いことだし、次の大きなモールへと移動です。I-5に戻ってひたすら南に向かって車を走らせると、202〜200番出口から出て右手にシアトル・プレミアム・アウトレット・モールがあります。バンクーバーからの来客も多く、最近はバンクーバーとシアトル間の直行バスもここに止まるようになりました。知り合いには、ほぼ毎週のように車で出かけている人もいるほどです。ちなみにシアトルからなら、市バスで来られるようです (バスを見かけたので間違いないと思います)。

ここは大きなカジノ施設も併設されていて、遊園地くらいの広大な敷地に平屋のショップが贅沢に広がっていました。ま、簡単に言えば、何もない広い敷地にお店を並べただけのことですけどね。それに、駐車場がバカでかい。いったい何台入れるのか見当もつきません。

このモールには、高級ブランドの店がたくさん入っているのですが、アウトレットと名がつくだけに一応安くなっているようです。でも、欲しいと思うようなものはありませんでした。残念。

さて、ここからはシアトルまでながーいドライブです。途中小さな街が点在するだけのフリーウェイを延々飛ばしていきます。心配していた天候は、時折ポツリポツリとくる程度でとりあえず持ってくれましたが、やはり青空の下で飛ばしたかったですね。

シアトルに近づくと今度は大渋滞に巻き込まれました。それまでかなりの速度で飛ばしていたのですが、このまま行けば20分もかからないはずの距離を、時折完全に止まりながらのノロノロ運転。ここでのロスタイムが響いて、結局バンクーバーからシアトルのダウンタウンにあるホテルに着くまで6時間もかかってしまいました (途中モールに寄った時間も入れてですが)。


さて、ここからようやくシアトルの話になるのですが、実は大したことなかったです (これだけ引っ張っておいてすみません)

米国には何年も住んでいたので、こういう大都市には慣れていることもあるのですが、バンクーバーに比べて海の景色はつまらないし、道は汚いし、浮浪者は多いし、太っている人の太り方が尋常じゃないし。カナダも結構太った人がいますが (日本では考えられないような大きさ)、シアトルではその人達でも細く見えてしまうほど。やっぱり、不健康でカロリーいっぱいの食べ物が溢れた世界一の飽食の国ですね。改めて吃驚しました。


でも、そこはやはり大都市。デパートとかにはバンクーバーとはちょっと違う品が揃ってます。お値段もちょっと高めですが、何でも買えるって感じ。日本のものも充実してました。ちなみに日本でも知られた百均のダイソーバンクーバー近郊の店では全品2ドル均一なんですが、シアトルの店では1ドル50セントでした。米ドルとカナダ・ドルの為替を考えても、シアトルの方がちょっと割安な感じです。店は比べられないほど小さかったですけどね。


さて、ホテルで荷物を置いてさっそく出かけたのは、有名な Pike Place。ホテルから歩いて15分ほどのところです。10年前にもちょっと来たはずなんですが、ほとんど記憶がありません。あまり綺麗じゃないなってことだけは覚えてましたが、今回もやっぱりそう思いました。。。

Pike Place は、一言で言えば魚市場です。でも、築地やら、バンクーバーのグランビル・アイランドなんかと比べると、かなり貧相でした。まあ、売っているものやレストランなんかはレベルの高いものもありますが、その分値段も高めです。それに、サンフランシスコなんかと比べると、活気がないような気もします。単なる魚屋の多い商店街って感じかな。平日のせいもあったんでしょうが、有名な観光地にしてはちょっと寂しいですね。

でも、ここにはシアトルが誇る Starback の1号店があります。混んでいたようなので中には入りませんでしたが、後で写真を見たら「PIKE PLACE BLEND」なんて書いてあるようなので、せめて豆くらい買ってくれば良かったなとちょっと後悔してます。


Starbucks 1号店(正面)
Pike Place にある、スターバックス1号店です。思ったより地味でした。

Starbucks 1号店(入り口)
最初のロゴは、違う色だったんですね。店先には「Pike place blend」という豆の案内がありますね。買ってくればよかった。。。


とか言いながら、予め調べておいた The Pink Door (1919 Post Alley, Pike Place Market, Tel:206-443-3241) という店に入りました。Post Alley という裏道に入り口があるのですが、文字通りそのドアがピンク色です。この通りには、この店と反対側にレストランなどが建ち並んでいるので、つい見逃してしまいがちです。実施、最初はこのドアに気付かず、あちこち探し回ってしまいました。

pinkdoor
入り口はまさにピンクのドア。ここから階段で降りていきます。ドアの向かいにはオープンカフェ(だったかな)があって、ついそちら側を探してしまい、うっかり通り過ぎることも。

a quickr pickr post


調べた時にはジャズの生演奏もあると書かれていたのですが、時間がまだ早かったせいか、音楽は聴けませんでした。でも、でも、料理は抜群でした!

ちょっと見た目には、アメリカでありがちな不味い料理なんですが、味付けは最高です。お酒の飲めない人には分からないかも知れませんが、病み付きになる肴と言えますよ。もしシアトルに行くことがあるなら、是非寄ってみてください。ただし、早めに行かないと満席で入れないこともあるので、予約をした方がいいかも知れません。

ちなみにオーダーしたのは、シアトルのサイトでお勧めになっていた「前菜盛り合わせ」と「リゾット」です (すみません、正式な名称は忘れました)。特に、前菜盛り合わせは、「これがこんな味に?」という、驚きの料理でした。興味のある方は、ご自分でお確かめくださいまし。 (また食べたいなぁ)


食事の後はホテルで喉が渇くと思い、コンビニでジュースでも買おうと思ったのですが、この辺りにはあまりコンビニがないようです。あちこち探しが挙げ句、ちょっと裏手の危なそうな通りにようやく一軒見つけました。店内には浮浪者のような人がレジで支払いをする客に物乞いしており、店員が怒ってました。ちょっと危険を感じたのですが、店員さんも大変だなという気持ちの方が強かったですね。
アメリカに住んでなくてよかったと思いました。


その後は、ショッピングしようとデパートなどを歩き回ったのですが、欲しいというものは案外ないものですね。そしてホテルに戻ったら、6時間のドライブの疲れで、あっという間に寝てしまいました。


翌朝、朝食はまた Pike Place まで出かけてきました。正確には、Pike Place に入る手前の1st Avenue にある、こじゃれたレストランです。まあ朝食なので大して期待はしてなかったのですが、これがかなりイケてました。サーモンなんかが詰まったオムレツでしたが、量も多いし感じもよかったし、満足でした。

その後はもう一度 Pike Place を見て周り、ホテルに戻ってチェックアウト。それから車で 1st Avenue を南下し、Pioneer Square 周辺へ移動。この辺りは、昔カミサンがシアトルに留学していたころよく来たところだそうで、懐かしそうでした。アンティークの店などが多いのですが、イタリア・レストランも多かったですね。思わず入りかけたのですが、お昼にはチャイナタウンにある別の店に行くつもりだったので、ここは我慢我慢。

チャイナタウンは、北米一のサンフランシスコ、二番のバンクーバーと比べたら笑ってしまう程小さいのですが、なかなかいいお店があります。10人も入ったら一杯になってしまいそうな、決して小奇麗とは言えない普通の店なんですが、餃子とワンタンがすばらしく旨い Szechuan Noodle Bowl (420 8th Avenue, S. Seattle, Tel:206-623-4198, 月曜定休) という店に行きました。

場所は、チャイナタウンの外れで、I-5の高架下近くにあります。駐車するスペースを見つけるのが大変でしたが、それだけの思いをして行く価値はあります。

四川料理なので激辛を想像していんですが、はっきり言って辛くありません。辛いもの好きのカミサンには物足りないようでしたが、普通の人にはちょうどいい辛さです。ここでたのんだのは、「グリーン・オニオン・パンケーキ」と「ポット・スティッカー」(棒餃子)、そして「ワンタンスープ」です。量は思ったよりもありますが、もう一品追加しても良かったかなと後悔しました。でも時間がないので諦めましたが、値段はかなりお得です。安くてたくさん旨い中華を食べたいなら、ここはイチオシですね。


食後は、チャイナタウンから坂を下ったところにある UWAJIMAYA です。日本食スーパーですが、増築してかなり巨大になっています。バンクーバーの T&T と比べると、数倍広いでしょうか。とにかく何でもあって、羨ましく思いました。シアトルなら、日本と同じ食生活をするのは簡単ですよ。バンクーバーだと安くすみますが、ちょっと工夫が必要になりますね。


ま、そんな感じで、ショッピングが目的だったのに、結局はほとんど何も買わず、美味しい物を食べに行ってきた感じでした。それだけ食いしん坊だってことですね。。。

そして帰りは元来た道をひたすら北上します。シアトル近郊では、上りも下りも渋滞でしたが、来た時ほどではなかったです。反対側は昨日と同じ大渋滞でしたが。

バンクーバーには、結局夜10時くらいに帰ってきました。途中、カナダに入ってすぐのホワイト・ロックで休憩してきましたが、遅くなるので海岸までは行きませんでした。真っ白い (ペンキで塗られた) 白い岩を見てくれば良かったかなぁ。でもそれは、次の機会にとっておきましょう。


最後に、シアトル旅行の記事がなかなか書けなかった言い訳を1つ。実は、撮影してきた写真が、ハードディスク上で消えてしまったんです。勝手に消える訳はないので、たぶん間違って消してしまったのだと思うのですが、いつもはバックアップを取っているはずなのにそれもないし、消去したデータを復旧させるツールでもダメでした。

幸い、ハードディスクではなく、デジカメの SD カードの方では消した画像を復旧させることができたのですが、大きさや諧調の修正などは全部やり直しです。そんなことで時間が取られてしまい、なかなか記事をアップできませんでした。

これからは、写真データはなるべく早く DVD やアルバム・サイトにバックアップしておかねば。いい教訓になりました。