本当かも知れないタトゥイーン (Tatooine) の重なる夕日

ちょっと所用と体調不良のため、しばらくブログの更新をさぼってしまいました。その間に訪問された方が結構な人数でしたので、非常に恐縮してます。最近更新ペースが落ち気味ですが、もう少し頑張らないといけませんね。反省。

さて、朝日コムにも出ていましたが、連星系 (複数の恒星が共通重心を回っている系) にも惑星がかなり普遍的に存在しているらしいという観測結果を、NASAスピッツァー宇宙望遠鏡を使ったアリゾナ大学などのチームが発表しました。映画「スターウォーズ」に出てくる
惑星タトゥイーンでの double sunset
のシーンが、実はありきたりの光景だという可能性が出てきました。アリゾナ大学のサイトNASA のサイトに詳しい説明があります (NASA のサイトでは美しいイラストや動画も観られますよ)。

実は、連星系に惑星は存在しない、もしくは非常に少数しか存在しないのではないか、という考えが昔は主流でした。系の中心が連星であれば、惑星に及ぼす重力の影響が複雑になり、楕円軌道を維持できないだろうというもっともな考え方からです。

ちなみに、太陽と地球の距離を天文単位 (1 AU) とした場合に、連星が互いに1000 AU 以上離れている場合には、惑星が存在できることも理論的に分かっていました。実際に観測した結果、およそ50のそうした惑星が見つかっています (太陽系外惑星は全部で200個くらい見つかっています)。ただしこれらの惑星は、2つの恒星を巡っているのではなく、その片方の周りだけを周回しています。

しかし、やはり宇宙のことは調べてみないと分からないものです。今回の観測結果からは、連星間の距離がゼロ〜500 AU の場合でも惑星の存在が考えられる環境が多数確認されました。完全に
予想 GUY(← もう古い?)
なやつらです。

これは、今までの考え方では説明できません。人間の常識や科学がいかに狭い視野に立っており、偏見で物を見ているのかという、いい例ですね。

原始惑星系円盤 (いわゆる惑星の素になるチリの集まり) を形成できるのは単独の恒星であり、連星系ではなかなか作れないだろうと考えられていたのですが、観測では互いの距離が (ゼロ〜3 AU 程度の) 非常に近い連星の約6割に円盤が見つかり、連星系にも惑星が普遍的に存在するのではないかと推論されました。まだ検証の余地はありますが、原始惑星系円盤が多くの連星系で見られるものだということははっきりしたのです。

いやいや、それどころか、連星系の方が単独の恒星系よりも原始惑星系円盤を形成しやすく、惑星を持つ確立も高いと考えることも可能だと研究チームは述べています。

へぇ〜。(← これも古い?)

これだけでも驚きなんですが、実はもっと不思議なことも分かったようです。それは、互いの距離が3〜500 AU の連星系は、原始惑星系円盤をあまり持たないようだ、ということです。つまり、連星間の距離が非常に小さい (ゼロ〜3 AU) か、非常に大きい (500 AU 〜) 場合にのみ、原始惑星系円盤が出来やすいということです。

これは何故か? その理由はまったくわかっていません。新しい理論が必要ですね。
今ならあなたにも、惑星誕生の理論を発表して名声を得るチャンスがあるかも知れませんよ!


それにしても、宇宙の中では自分達のもっとも身近な惑星についてされ、人類はまだ分からないことがほとんどなんですね。某マ●クロソフトの元プログラマー宇宙旅行に行ったことくらいで騒いでいちゃいけません。もっと謙虚に宇宙について研究しなくては (自戒を込めて)。

ところで今日は雨が降っています。昨日と一昨日のイースターはかなり気温も上がり、花粉だらけで大変な思いをしたのですが、今は暖房入れようかなって思うくらい寒いです。それに比べて、この時期のアリゾナはすでに陽に焼けるようなギンギンの太陽が出ているはずです (懐かしいなぁ)。太陽が2つあったら、アリゾナはどうなっていただろう? カナダもきっと暑いんでしょうね。というか、ただでさえ夏は夜が短いのに、まぶしくて寝れねーって思いますよ、きっと。