法律は誰のもの?

日本では今、「離婚後300日以内に生まれた子は前の夫の子」と推定する民法772条の規定について、侃侃諤諤の議論がなされているようですね。

ま、議論をするということはいいことですよ。何も話し合わないで決めてしまうよりは。でもねー、議論している議員さんや大臣さんは、自分達の個人的な主義主張や価値観で法律を決めようとしてますよね。この法律が誰を「守る」ためのものであるかが置き去りにされてしまい、「こうあるべきだ」というやり取りに終わっている感じがします。

だいたい、生むのは女性なのに、この規定ではその母親の権利や主張が入り込む余地もないみたいですよね。「生む機械」発言の大臣さん、「貞操義務」発言の大臣さん、
どっか偏った考えを持ってませんか?

だいたい、国会議員とかでも「貞操義務」を破ってしまった人って結構いるじゃないですか。それが大臣になったら、まるで聖人になったような気になってしまったんでしょうかね。別に国民があなたに●●大臣になってくれと頼んだ訳じゃないのに、ものすごーく偉そうな言い方をするのは何ででしょうか。

日本の法律って、明治とかに決められたものがそのまま使われていることが多く、今までにもいろいろ問題になったじゃないですか (パッと思い出せないけどさ)。こういうこと、いくらやっても直らないのは、失礼だけど頭の固い、古い考えの政治家が多いからじゃないでしょうかね。

昔決めたことは大切で、「若い連中の考えなんかで変えられてたまるか!」というような感じさえします。しませんか? だって、若手議員から出た意見なんて、ほとんど無視されているじゃないですか。この若手の人も、ベテランになると同じことするのかなぁ。そうやって同じことが繰り返されてきたのかも知れませんね。

この規定、
明らかに問題があるからこれだけ議論されている
訳ですよ。それなのに「変える必要はない」と主張するならまだしも、「議論する必要もない」なんて言っている議員さんがいるってことには呆れますね。

海外に住んでいると、ちょっと過激すぎると思うような法案が出されたり、大胆な法修正が行われたりすることに慣れてしまいます。それが良いとは言いませんが、問題があれば、例え法案が却下されることが明らかであっても、ちゃんと議論だけはしますよ。でも、日本は政党レベルでちょろちょろと言い合うだけで、議会での議論にさえ持ち込めないことが多いですよね。何のための「国会=日本国の議会」なんでしょう。

そんな国民性でありながら、元官房長官の談話を好き勝手に解釈して反感を買い、あちこちから叩かれて釈明したり、また強気になったり忙しい偉い人が納めている国ですから、その下にいる偉いさん達も、好き勝手にやってるんでしょうか。外から見ていて、ものすごくリーダーシップのない人達だなって思いますよ。存在感ないし。中央政府の大臣ではなく、知事とかの方がよっぽどカリスマ性を持った人達がいますね (良いか悪いかは別として)。

北米みたいに、地方自治体の首長が国のトップに直接立候補できるようにすればいいのになぁ。いや、それどころか、アメリカは一個人でも大統領選挙に出られますからね。そうすれば、密談で勝手に首相になっちゃう人なんかも出なくなるでしょうし。アメリカの政治はあまり好きじゃないけど、見習うべきところも多いですよ、日本には。

兎に角、法律は誰かを守るためのものであって、特定の人や集団の考えで決められるものではないはずです。問題発言の多い大臣さんたちが、その価値観で国の法律を決めるなんて、そんなに「出来た」人たちには見えないので、ちゃんと議論とかしてくださいよ。
税金取って「議員=議論する人」とか名乗っているんだから

あー、こんなこと書いたら、またお役所から目をつけられるかな。帰国した時に難癖つけられて嫌がらせとか受けたら嫌だなぁ。