ライブ CD か、ポータブル・アプリケーションか、それともオンライン・デスクトップか


えー、ポータブル・アプリケーションというものがあります。これまで紹介してきたライブ CD と違い、Windows とか Macintosh で使えて、USB ドライブで持ち運べます。いわば、どこにでも携帯できるアプリケーションです。

そんなに便利なものがあるなら、ライブ CD なんて要らないじゃないかと思う人もいるでしょうが、それは違います。

ライブ CD もポータブル・アプリケーションも、自分の PC ではないマシンで使い慣れた環境を提供してくれるものですが、実際に利用する場面はかなり異なります。

例えば、使わせてもらえるマシンが英語環境だったら、ポータブル・アプリケーションを日本語化していても日本語で使えません (というか、文字化けしてディレクトリとかも読めないし)。この場合、ポータブル・アプリケーションはあまり用をなさず、ライブ CD に軍配があがります。

また、セキュリティの面でも、ポータブル・アプリケーションはマシンにインストールされている OS などの環境に大きく左右されますが、ライブ CD はハードディスクにさえアクセスせず利用できるため、その心配もほとんど無用です。

さらに、ライブ CD はそのほとんどが Linux なので、かなり自由な使い方ができます。マシンに不具合が起きて起動しなくなった場合のレスキュー用途にするもよし、臨時のサーバーにするもよし、古いマシンでキビキビ作業するために使うもよし。

逆に、Linux なんて使えないという人には、ライブ CD も宝の持ち腐れに終わる可能性がありますね。

そして、貸してもらえるマシンが再起動してはダメな場合にも、ライブ CD は使えません (Qemu-Puppy は例外ですが)。

そんな訳で、ポータブル・アプリケーションとライブ CD は用途に応じて使い分けるといいですね。


じゃあ、タイトルの「オンライン・デスクトップ」とは何ぞや? ということですが、これは使うマシンがネットに繋がってさえいれば、OS の種類を (あまり) 問わずにいつでも同じ環境を再現できるものです。簡単に言えば、ブラウザを介して、使っているマシンをシンクライアント化してしまうものですね。

Google Docs & Spreadsheets」みたいに、特定のアプリケーションだけをオンラインで使えるようにしたものもありますが、OS 環境からちょっとしたユーティリティまで、すべてを (つまりデスクトップ上のすべてのものを) オンラインで使えるようにしたサービスがあるんです。その一例が「スタートフォース」です。

このサービス、OS とかアプリケーションを自由に選択できる訳ではなく、あくまで与えられた環境の中で設定を自由に行うことができるもの、と考えた方が良さそうです。まだベータ版の段階で、今後アプリケーションの数も増えていくようですが、利用において料金は発生していくようです (現在はベータ版のため利用は無料)。

使えるアプリケーションも、Word や Excel と互換性のあるような高度なものはなく、チャットやメールなどを使える程度ですね。

ただ、これは商用のサービスですが、自分でサーバーを立ててリモート・アクセスしてしまえば、同じことができます。しかも、OS もアプリケーションも、お好みのもので。

問題はセキュリティと、落ちてしまった場合にどうやって外から再起動させるかですが、家族のいる自宅に置いておけばとりあえず何とかなるでしょう (最後は人力だよりってことです)。あと、かなりのパソコンとネットに関する知識が必要ですね。


という訳で、世の中にはいろんな便利なものがあります。この中で一番敷居の低いものは、誰でも使えるポータブル・アプリケーションでしょう。スカイプなんかを入れておけば、かなり便利です (ポータブルなスカイプは存在しないのですが、自分で作ることができます)。

ポータブル・アプリケーションは英語版がほとんどですが、日本語化もそれほど難しくありません。次回は、ポータブル・アプリケーションについて、日本語化とかポータブル・スカイプとかをもう少し詳しく書きましょうかね。