ワイヤレス技術の新規格は期待できる?

このところワイヤレス技術に関していろいろな話題があるようです。今週は Nokia が、Bluetooth に代わる無線通信技術 Wibree を発表しました。性能的にはデータ転送速度が1Mbps で通信可能距離は半径10メートル以内ということで、Bluetooth とほとんど同じようです。何が売りかというと、低い消費電力のようです。確かに Bluetooth は消費電力が大きすぎますので、それは一応大きな魅力と言えないことはないですね。

それから先月末には、USB の普及支援と規格の策定などを行っている USB Implementers Forum (USB-IF) という団体が、ワイヤレス USB 仕様適合性認定の準備作業を終えたと発表しています。ワイヤレス USB の性能は、3メートルの距離で480Mbps のデータ転送速度、10メートルの距離では110Mbps の転送速度を実現しています。年内にはこの機能を搭載したパソコンが登場するとのことです。

一方、Wi-Fi 陣営は、802.11n 規格での標準化がほぼ完了し、正式な仕様としてそろそろ市場に出てくる頃です。ただ、一部のメーカーが先走ってしまい、正式な仕様策定前に製品を発売しています。これらの製品は今後発売される正式な802.11n 規格の製品と互換性を維持できない可能性があるだけでなく、その性能について各所から酷評を受けているようですね。実際、あまり売れているようには思えませんし。

さて、こうした状況で新しいワイヤレス規格が爆発的に普及するでしょうか? 一消費者として考えると、まず802.11n 規格は、現行の802.11b/g 規格を捨てて導入したいとは思いません。全然思いません。だって、事足りてますから。高速回線が必要なら、有線を選ぶまでです。今更面倒なセキュリティなどの設定をやり直したいと思いませんし。

Wibree ですが、携帯電話に採用されれば自然と使われることになると思いますが、Nokia のためにライセンス料を払って製造工程を変更し、必要なコストを電話機に上乗せしなければならないのなら、電池の性能を引き上げる努力をして欲しいと思いますね。これはどちらかと言うと、消費者にはあまり選択の余地がない部分かと思いますが、消費電力だけの違いで Bluetooth を駆逐できるのかしらん、という感じです。

一方で、ワイヤレス USB は魅力がありますね。何せ使い勝手がいい USB ですから、多くの人が興味を持つのではないでしょうか? セキュリティさえ問題なければ、一気に普及していきそうな気がします。しかも、現在取り組みを進めている中心企業の1つが Intel なので、PC にも Mac にも、新機種には自動的に導入されていくでしょう。

となると、今年の年末商戦で一気に片がつくかも知れません。でも、Windows VistaMac OS X 10.5 (Leopard) もまだ発売時期は先なので、新機種のパソコンは買い控えられてしまうかも知れませんね。そうなると、混沌とした状況がしばらく続くのかなぁ。こういう、いくつもの規格が乱立するのは止めて欲しいですね。

規格の乱立といえば、iPod と MP3 と WMP の規格。これ、全部まとめて使えて、しかも動画 (MPEGWMP とか AVI とか、YouTubeGoogle Video の FLV も全部) 扱えるプレーヤーがあるといいんですけどね。というか、iTunes で対応してくれるとありがたい。何故って、iPodWindows で FAT 形式にフォーマットすれば、MacWindows の両方で認識できるので、その方が楽だからです (なんて言いながら iPod 持ってないですけど)。

話が逸れましたが、強引な結論というか希望として、iTunes が主要な音楽/動画フォーマットに一通り対応するようになり、それをワイヤレス USB 付きの動画対応 iPod で楽しめるようになってくれればいいなと。そうすれば、Wi-Fi が搭載される MicrosoftZune (11月発売で価格は249.99ドルだそうです) には興味なくなるんですけどね。あ、でも、やっぱり Wi-Fi もできるといいなぁ。ついでに FM が聞けて、ボイスレコーダ機能も付いているとなおいい (←欲張りすぎ)。Apple さん、Zune より高くてもいいから何とかお願いしますよ。 (だめ?)