Microsoft の『Zune』、詳細が明らかにされる

米国太平洋時間の9月14日、Microsoft が噂の『Zune』の詳細を明らかにしました。以前から仕様がリークされたり憶測が飛び交っていたわけですが、ほぼ前に書いた予想どおりの仕様に仕上がったようです。

予想の範疇とはいえ、やはり WiFi 機能が正式に搭載されたことは重要でしょう。WiFi 機能を持つポータブル機器は他にもある訳ですが、『iPod』に対抗するという意味では大きいですね。確かに魅力はあります。

他に予想が的中した機能としては、次のものがあります。

  • 3 インチ液晶画面
  • FM チューナー
  • 30GB のハードディスク・ドライブ
  • ビデオ再生機能

Microsoft のプレスリリースでは、USB 端子や搭載 OS については触れられていません。メモリー・カードのスロットでも付いていると嬉しいのですが、それもなさそうです。値段については、いくつかのサイトで299ドルという噂が出ていますが、たぶんそんなもんでしょうね。

ここで注目すべきものは、ワイヤレス機能による Zune 同士のデータ共有機能『Wireless Zune-to-Zune』でしょう。これは複数の Zune の間でサンプル楽曲 や写真の共有できるというものですが、特筆すべきは、共有するために受信したサンプル楽曲は部分的なものでなく全曲を最大3日間で3回まで視聴でき、気に入った場合は『Zune Marketplace』で購入できることです。プレスリリースのその部分を引用しておきます。

Wireless Zune-to-Zune sharing lets consumers spontaneously share full-length sample tracks of select songs, homemade recordings, playlists or pictures with friends between Zune devices. Listen to the full track of any song you receive up to three times over three days. If you like a song you hear and want to buy it, you can flag it right on your device and easily purchase it from the Zune Marketplace.

ここで出てくる Zune Marketplace とは、Apple の『iTunes Store』のようなものです。楽曲のダウンロード販売サービスですね。1曲当たりの値段はまだ分かりませんが、フラットな料金システムにするようなことを示唆しています。それから、サンプル楽曲はすべてのアーティストの曲が対象になっている訳ではないようです。引用部分にも「select songs」とありますから、Microsoft が選んだ一部の曲ということですね。そりゃそうでしょう。無料で3日間、3回まで聞けちゃう訳ですから。

それから、PC にダウンロードする Zune ソフトウェアというものがあるそうで、Zune 本体の最新アップデートを通知してくれたり、PC 内のデータを Zune 用に変換して取り込んだりできるみたいです。プレスキットのページで入手できる資料を見ると、しっかり iTunes からも楽曲や画像、ビデオをインポートできると書いてます。対抗心剥き出しですね (笑)。これがその部分を引用したものです。

Zune software can automatically import your existing music, pictures and videos from iTunes and Windows Media(R) Player in a variety of formats

なお、iTunes で一斉を風靡したクリックホイールと似た丸い部分がありますが、これは見せかけだけのようです。何せクリックホイールを採用するには、宿敵 Apple に特許料を払わなければならず、お金云々よりもプライドが許せないのでしょうね (だったら見せかけだけ同じにするのはもっとせこいと思うのですが)。この件については、以前から批判が出ているようで、初期リリース以降はデザインを変えてくるかも知れません。まあ、ハードウェアのデザインは東芝が主導しているのでしょうから、文句を言われるべきは東芝なのですが。

製品の写真やより詳細なデータなどは、プレス向けのサイトで見られます。さすがに写真を転載するのはまずいので、興味がある方はそちらのサイトでチェックしてください。

んー、こうしてみると、すでに出回っていた情報と大差なかったせいか、あまりぐっとくるものはないですねぇ。AppleWiFi 機能搭載の iPod を出してくるのは時間の問題だろうし、動画配信サービスにも進出していますので (これについては後日書きます)、まだまだ Apple のリードは揺るぎないでしょう。iPodスカイプができるようになったら即買ってしまいたいのですが、それはまだ先のことだろうなぁ。早くても来年でしょう。となると、今年のクリスマスは MP3 プレーヤー以外のものを買うことになりそうです。