Google が著作権切れ書籍の無料ダウンロードサービスを開始

Google はいろんなことをするんですね。そのほとんどが無料で提供されるものなので、利用者としてはとてもありがたいことです。そしてまた、新しいサービスが提供されました。

以前からニュースで報じられていたのですが、Google は書籍をスキャンして、検索結果に書籍の一部を表示できるように準備を進めていました。主要な図書館などに協力してもらい、相当数の書籍をスキャンしていたようです (英語だけですが、すでにベータ版として提供されています)。書籍に出てくる語句を検索すると、その語句が含まれる箇所を前後数ページに渡って表示できるというものです。調べ物がある時にはとても便利です。なぜなら、前後関係が分からないと、何を意味しているのか見当がつかないこともあるからです。そのためにわざわざ図書館まで足を運ぶのは、忙しい現代ではなかなかできることではありません。図書館に行っても、目当ての本が貸し出されていたり、紛失している場合もありますから。

まあ、それだけでもすごいと思いますが、今度は著作権が切れた、または放棄された書籍を丸ごとダウンロードできるサービスを始めたというのです。これはすごいですね。図書館の蔵書の中で、どれだけの書籍が著作権対象外になるのか分かりませんが、古い書物にはやはりそれなりの価値があります。内容はもちろんですが、著名な人が書いた本を原文のまま読めるというのは、ちょっと嬉しいじゃありませんか。

ただし、現時点では英語の本がほとんどのようです。日本語など、英語以外の本がこのサービスの対象になっているのかは分かりません。少なくとも、日本語版 Google では、まだ書籍検索サービス自体が提供されていませんし。

なーんだ、英語だけかと思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、偉大な人が書いた書籍をそのまま読んでみたいとは思いませんか? 英語のいい勉強にもなりますよ。興味があるものを読むのなら、難しい英語も頑張って読もうという気力が続きますから。これ、英語が上達するための秘訣の1つです。

じゃあ、まず何の本を検索してみるか? 人によって興味のあるものは違いますからね。ここは独断と偏見で、ニュートンの「プリンキピア」(Principia) と、シェークスピアの「ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet) で試してみることにしました。

まず Google の書籍検索サイト「Google Book Search」を開きます。そして検索ウインドウに、まず「Principia」と入力し、すぐ下の Search ボタンで「Full view books」を選択して、「Search Books」ボタンをクリック。 (ここで「Full view books」にするのは、丸ごと一冊の本だけを対象にする検索なので、ダウンロードできる書籍を見つけやすいからです。) すると検索結果の3番目に、こんな感じでお目当ての本が出てきます。

The Three First Sections and Part of the Seventh Section of Newton's Principia: With a Preface...
by Isaac Newton - 1850 - 163 pages
Page 9 THE THREE FIRST SECTIONS OF NEWTON'S PRINCIPIA, AND PART OF THE SEVENTH.
SECTION I. The Lemmas containing the Doctrine of Prime and Ultimate Ratios; ...
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ここをクリックすると、開かれたページの右側の方に「Download」ボタンがあります。このボタンを押すと、PDF ファイルになった書籍が丸ごとダウンロードできるという訳です。

ついでにもう一つ検索してみました。ロミオとジュリエットです。プリンキピアの時と同じように検索ウインドウに「Romeo and Juliet」と入力し、「Full view books」を選択してから「Search Books」ボタンをクリックします。

すると今度は検索結果の一番最初に、お目当ての本が出てきました。こんな感じです。

Romeo and Juliet: A Tragedy - Page 1
by William Shakespeare - 1859 - 100 pages
Romeo and Juliet ... ROMEO AND JULIET. (.) PERSONS REPRESENTED. ...
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著作権が切れているかどうかは、「Download」ボタンがあるかどうかで分かります。著作権が切れていない書籍の場合は、購入先のリンクが出てきます。いちいち書籍のページを開かないと分からないのですが、検索結果には出版された年 (らしきもの) も表示されるので、これを見ればだいたいの見当はつきますね。

このサービスを利用すれば、PDF を読める環境なら、いつでもどこでも名作が読めるわけですね。うまくテキストに変換できれば、テキスト表示が可能な MP3 プレーヤーとかでも (ちょっときついけど) 何とかなりそうです。もしも、それを朗読しているようなサービス (Podcast などで) があれば、英語を聞きながら見ることもできますね。そのうち誰かが始めるのではないでしょうか? (というか、誰か始めてくれませんか?)

先日 MicrosoftZune について書きましたが、搭載している OS を考えれば、当然 PDF もテキストも読むことができますね。AppleiPod とかでも、新しい機種で PDF やテキストファイルを読めるようにしてもらえれば、ますます欲しくなるんですが。。。他のメーカーでもいいから、そういうのを作ってくれないかなぁ。

さて、今は仕事が忙しくて無理ですが、時間が出来たらプリンキピアでも読んでみようかなと思ってます。あのニュートンが書いた本を自宅で無料でそのまま読めるなんて、いい時代になりました。もっと勉強しろってことなんでしょうね。。。