大きければいいってもんじゃない

ここ数日、めっきり風が冷たくなりました。気温はそれほど低くなった訳ではないのですが、何となく涼しい感じがするし、夜は寒くて窓を閉めて寝るようになりました。
えっ、もう秋ですか?まだ8月半ばですよ!
そんな独り言をつぶやくようになってしまいました。。。(--;

それとまったく関係ないのですが、このところちょっと大きめの仕事が続いています。でも合間(というか無理やり途中)には小さな仕事も掛け持ちしていて、完全休養できる日がほとんどない状態です。仕事があっても休んでしまう日もありますけどね。えへへ。こういう小さい仕事って、実は大事なんですよ。いろいろな意味で。

フリーで仕事をしていると、そりゃー大きな仕事をもらえたら安心します。何せ入る額が違いますから。ものによっては、数ヶ月単位に及ぶ仕事もあって、それだけで1年暮らせてしまいそうな収入になりますからねー。めったにないですけど、そんな大きな仕事は。

でも、大きな仕事ばかりじゃやってられないんですよ、実は。小さな仕事もこなさないとならない。それは、いわゆる出来高払い」っていう制度のためです。

仕事をしてお金をもらう流れの中には、いくつかの手順があります。

仕事の打診が来る → もっともらしく検討して引き受ける返事をする → 仕事をもらう(発注) → 仕事をこなす → 出来たファイルを送る(納品) → お金を払ってもらう(小切手であれば届くまで待って、さらに場合によっては、預け入れてからそのお金が使えるようになるまで、銀行の5営業日待つ必要があります)

ま、こんな感じです。つまり、実際に仕事をもらってからお金が入るまで、かなり時間がかかる訳です。翻訳会社からの仕事であれば、納品した次の月末とか、へたすると3ヶ月後に支払いとなることもあるし。ましてその仕事が数ヶ月に及ぶとなれば、その間いくら仕事をしていても無収入(なのに、税法上は収入があるとみなされる)。仕事をしている期間中は、蓄えを崩しながら生きていくわけです。

そうなると、3ヶ月分くらいの蓄えがないとやっていけません。いや、これでも足りないくらい。だから結構きついんですよ。多少お金があるように見えても、使えないんです。さらに税金は(天引きではなく)後払いなので、その分も用意しておかないとならない。

贅沢を言えば、毎月のように適当に大きな仕事が入ってくれて、収入が安定してくれる方がいいです。でも、安定した仕事というのは、得意先が決まってしまうことになり、急に仕事をもらえなくなった場合(その会社が潰れたりトラブルがあって取り引きを止めたりとか、いろいろな理由で)、一気に仕事がなくなってしまう。こういう危険性もあるんです。

で、前にもちょっと書きましたが、保険の意味でいくつかの取引先を確保し、大小さまざまな仕事を請け負う形に落ち着くわけですね。簡単に言えば下請けですよ。また、小さな仕事というのは、いろいろなジャンルにまたがることが多く、仕事の幅を増やす意味ではとても有意義です。専門分野だけに固執していると、つぶしがきかないですからね。

今、翻訳業界の中で、一番人手不足でお金になる分野は特許です。他の分野とはちょっと違うのでかなり勉強は必要ですが、仕事にあぶれることはないです。でも、信じられないくらいにしんどい仕事ですね。過労死する人も結構いるみたいだし。前にちょっとやっていたこともあるんですが、あまりにしんどいので最近はやってません。でも経験があると、いざという時に役に立ちます。だからいつでも引き受けられるように準備はしておかなければ。背に腹は代えられないですから。

その特許でも、大きなものから小さなもので様々です。なるべく小さな仕事をたくさんこなすと、収入の面でも実績の面でも利するものがありますね。だから(特許に限らず)仕事は、なるべく大小で選ばないようにしています。とは言え、取引先との関係でなかなか思うようにはいかないんですけどね、現実には。

まあ、所詮は下請けですから、フリーの翻訳者なんて。。。