トレード・オフ

もうご存知の方も多いと思いますが、Microsoft による今回の月例セキュリティ更新で、パッチに不具合があったことが判明しています。このパッチを当てると、正常だったマシンに不具合が発生してしまう「恐れがある」というのです。まったくもって本末転倒。でも、こういうことは、この会社では珍しくないんです。だって、先月も、4月の時もそうでしたから。。。

MS 社の月例更新で不具合が出るのは慣例化していると言っても過言ではないでしょう。でも、「それじゃセキュリティ更新のパッチを適用しない方がいいか」というと、不具合以上の危険にさらされることになるので良くはないでしょう。業務なり自分の使っているソフトでの作業に重大な影響が出ない限りは、「ないよりまし」という感覚で適用した方が身のためです。

英語では、「こちらを立てればあちらが立たない」というような意味で「トレード・オフ」という言葉をよく使います。「天秤にかける」と言った方がイメージしやすいでしょう。損得を比べてどうするかを決める、というような時に使います。

Microsoft の修正パッチは、まさにこれですね。本来 Windows 自体にこんなにたくさんの欠陥があること自体が問題なのですが、そんなことをこの会社に言っても無駄です(実は内情を知ってたりするので、無理だってのは知ってます)。だから修正パッチを当てて、不具合覚悟で安全を取るわけです。まさにトレード・オフですね。

ところで、Google が本拠地のカリフォルニア州マウンテンビュー市全域をカバーする、無料 WiFi サービスの提供を開始しました。市内にいる人は、誰でも無料でインターネットに接続できるようになる訳です(無料のアカウントを取得する必要はありますが)。サンフランシスコでも似たような計画を進めており、市からも正式にプロバイダの1社として指名されてますね。ライバルたちが阻止しようといろいろやってるようですけど。

大規模な無料接続サービスがないバンクーバーとしては羨ましい限りですが、実は無料で接続サービスを提供する喫茶店なんかはいくつかあります。ダウンタウンに集中していますが、結構みんな知っているようで、ノートパソコンを持ち込んでお茶している人もかなりいますね。

でも、今更言うまでもないですが、ノートパソコンって意外に重くてかさばるんです。バッテリーもそんなに長く持たないし。使い勝手を優先すれば、大きくて重くてバッテリー寿命も短い。携帯性を重視すれば、画面が小さくて見づらいし、パワーも非力で仕事には使えない。バッテリーに関してはアダプタを持っていけばいいんですが、それって結構大きいし重い。全然モバイル環境じゃないんですよね。で、これも結局これもトレード・オフによって、どういうタイプのノートパソコンを買うかが決まってくる。

うちにもノートパソコンがありますが、主に家の中での移動と、日本に帰国する時に仕事で使うため、その時だけ飛行機で持ち歩ければいいと思っていたので、結構でかくて重いんです。だから喫茶店で仕事をしようとはなかなか思わない。せっかく持って行っても、席が空いてないってこともあるし。それにだいたい、翻訳の仕事は周りがざわついている環境ではやりにくいですしね。だから、普段はあまり使わなくなってしまいました。

もし、Google のサービスがバンクーバーでも提供されたら、家の中で使えるのになぁ。あ、でも、よく考えたら、うちでもすでに無線 LAN なんて使ってるんですけどね。でもうちのプロバイダはときどき繋がらなくなるので、予備のプロバイダが欲しいんですよ。うちのコンドミニアム(日本でいうマンション)が停電になった場合でも(これが結構あるんです)慌てないで済むし。でもめったに使わないから、予備のプロバイダにはなるべくお金をかけたくない。これもトレード・オフ。保険として予備のプロバイダにお金を払うか、いざとなったら喫茶店に出かけていって仕事をするかってことです。これが、Google のような無料のプロバイダがバンクーバーにできたなら、一気に解決するんですけどね。

まあ、世の中そんなにうまくは行きません。せめてノートパソコンをもっと活用できるようにしたい。そんなことを考えていたら、いいものを見つけました。複数のコンピュータを1つのキーボードと1つのマウスで操作するための「ソフトウェア」です。はい、ソフトウェアだけで実現できるんです。しかもこれ、無料です。OS も Windows/Mac OS X/UNIX (Linux 含む) のどれでもいいんです。すごいです。

じゃあ、どういう使い方あるのかと言うとですね、2台のマシン(正確には複数のマシンに繋いだ複数のモニター)を横に並べておくと、マルチディスプレイ環境が簡単にできてしまうんですよ。具体的に言うと、メインのマシン A(例えば Windows)の右にサブのマシン B(例えば Mac OS X)を並べておき、A の画面にあるマウスをぐっと右にずらしていくと、マウスが B のマシンに入っていくんです。OS の違いとか関係なく。これは便利そうです。仕事にもかなり使えそう。今は忙しいのでインストールとかしてられませんが、時間があったらまず試したいソフトです。この環境で唯一問題があるとすれば、マックと PC でのキーボードの違いくらいです。でもこれも、コツさえつかめば問題ない。

あ、このソフトウェアの名前は Synergy といいます。パソコンとモニターが複数台ある人は、試してみると面白いと思います。

さて、これでトレード・オフの話を締めくくるには、「2台もモニターを置く場所をつくるのが大変」っていうことですかね。だから普段あまり使わなくなったノートパソコンなんかにはちょうどいいかも知れません。

今回は全然まとまりのない話になってしまいました。でも、言いたい放題、好きに書いていると、楽しいですね。 (^^;