あらま、安倍さんはまだ状況が分かってないの？
衆議院選挙、民主党の圧勝ですね。というか、民主党が大勝するだろうってことは誰もが予想してたと思いますので、これは驚くことでもないでしょう。むしろ印象的なのは、苦戦が予想されていた自民党と公明党の、予想以上に情けない負けっぷり。負けるとは思っていたけど、ここまで大物が落選するのを実際に見ると、やっぱり自民党への不信感がそれだけ強かったんだろうなって気がしますね。公明党も代表や幹事長などが負けちゃうし。
ま、大物と呼ばれる人達の多くは７０代などの高齢者が多いことだし、若返りという意味ではいい機会でしょう。もっと若くて活気があり、権力の座についたことへのおごりに染まっていない人が出てこないと、どの道自民党はダメなんですから。７０代にもなったなら、一般企業と同様に「ボランティア」的に党への貢献をすればいいですよ。どうせお金にならないのなら、何もしないでしょうけどね、こういう人たちは。
落選した自民党現職の大物議員達は一様に反省の弁を述べていますが、今更遅いって感じです。こういう現実を突きつけられないと、今までしてきたことがいかに国民を裏切ってきたのかって分からなかったんでしょうね。ざまあ見ろとまでは思いませんが、自業自得なんだし、同情する気にもなれません。でも、心から反省しているのなら、とりあえず許してやろうかってくらいは思います。
ただ、そんな自民党の中で、一人 KY の方がいらっしゃるようです。
山口４区で再選を果たした安倍晋三元首相は、こんな風に述べています。「私も元総裁として、この結果に対して責任を感じている」とも言っていますが、今回何故こんな逆風、つまり安倍さんの言う「特別な嵐」が吹いたのを分かってない。これは、国民が民主党に期待しているということよりも、自民党に愛想を付かしたからなんですよ。その嵐が長く続かないってことは、自民党がすぐに再生するってことになる訳ですが、安倍さんの言い方はそうは取れませんよね。単に、民主党が失敗するから、放っておいても自民党の天下が戻ってくるさってことを言っているだけ。具体的な反省の弁は全くなく、早くも民主党の批判を始めているくらいですから。
結局、自民敗戦の原因は自分達の失策ではなく、単なる国民の気まぐれのようなものと捉えたものの言い方であって、責任逃れでしかない。そして、自民転落を先導してきた張本人の安倍・福田・麻生という人達が残り、素直に敗戦の弁を述べた人が去っていく。果たして、これで自民党への不審がすぐにぬぐえるとでも思ってるんでしょうか。
ま、それが分かる人だったら、途中で首相を辞めたりしなかったろうし、「美しい日本」とか、選挙直前にも「まだまだ十分に挽回できる可能性がある」などと訳の分からないことを言うはずもないんですけどね。
どうです？ こういう人を今まで首相にしていたんですよ、日本という国は (これが美しいってことなのかな？ / 笑)。それが３人も続けば、さすがに国民だって怒りますよね。でも、それでも自民党は選挙終盤になるまでふんぞり返っていた訳です。民主党が変化 (チェンジ) を掲げれば、今まで何十年もしてこなかった変化、毎回公約に掲げておいて実行してこなかった変化を今回の選挙では「自民党ならやれます」って平気な顔して言ってきた訳です。「責任力」がありますからって。ものすごく国民をバカにしてますよね。
今までできなかった、いや、やらなかったことを、どうして急に出来るようになるのか？ その具体的な変化への道筋は一切示さず、いつものような「選挙時だけの体裁のいい公約」を並べれば当選できると思ったんでしょう。というか、それ以外、どうして戦っていいのかさえ分からなかったんだろうなぁ。選挙もマニュアル化されていたんでしょうね。
それを考えれば、今回の選挙結果は、なるべくしてなったものでしょう。
ああ、そういえば今回は、昔自民党が自分達に有利になるように作った比例制で、民主党が利することになりましたね。巨大政党になればなるほど、比例で議席が増える仕組み。これは、いつまでも自民党が勝ち続け、圧倒的多数を維持できるという傲慢な考えから、自民党多数による一方的な多数決で導入されたもの。この時、いつか自民党は下野し、自分達の導入した比例制で苦しむ日が来るだろうと思っていたのですが、それがついに現実となりました。こればかりは、自民党ざまあみろという思いです。
政治を好き勝手にやって国民の声を無視し、官僚と持ちつ持たれつの関係で国を腐敗させてきた自民党政治がようやく終わったことで、経験もなく失敗もしていくだろうけども、民主党によって少なくともこれまでよりはマシな政治が展開されることを望みます。そして、今まで自民党がやってきた税金の無駄使い、不都合な内容の隠蔽、天下りなどの事実を、どんどん明らかにして、その責任をしっかり追及してもらいたいものです。
少なくとも、安倍さんのような人が民主党にはいないことを願いたいものです。
