ようやっと解散へ

太郎さん、ついに逃げ場を失いましたね。歴代の首相の中でも、ここまでどうにもならなくなった人はいないでしょう。潔く身を引く姿勢はゼロ、いつまでも権力の座にしがみついていようとしたけれど、誰もついてきてくれなかった。支援してくれた派閥も、それぞれの思惑からであって、太郎さんを信頼していた訳ではない。

安倍さん、福田さん、そして麻生さんと、1年以内しかもたない政権ばかりで迷走が続き、任命した大臣が後から後から問題を起こして辞任。国内の支持率も、野党の失敗がなければ自力で上げることすら出来ず、言い訳どころか開き直りで批判に応える。

この期に及んでは、民主党を「国民不在の党利党略以外の何物でもない」と批判したり、「経済危機から皆さんの生活を守るのが政治の責任だ。経済対策は引き続き責任ある政党のもとで実施していかなければならない」と、あたかも景気対策で実績を上げたような言い方をしている。ワーキングプアの問題、派遣切りの問題、上昇を続ける失業率の問題、内定取り消しの問題・・・。ちょっと考えたただけ、景気対策なんて実績の「じ」の字も言えるようなザマではないですよね。

医療問題、特に介護の問題も悪化するばかり。新型インフルエンザについても、水際作戦などと言いながら抜け穴だらけの対策で自己満足していたがために、世界でももっとも感染の多い国、それも人から人への国内での感染が広がる国の1つになってしまいましたよね。秋からはまた大変なことになるでしょう。それに対する対策は、もう何もしてないじゃないですか。どうせ政権交代だから放っておくつもりだったんでしょうね。

一番国民の関心が高く、一番影響を受けるこれらの問題をないがしろにしておいて、「実績」とはよく言えたもんです。

選挙についても、支持率についても、都合のいい解釈だけを並べ、平気で記者の質問に公言する。自らの欠点を正すこともできないような人に、国の政の何ができるというのですか? せめて最後くらい、至らなかったことを反省するくらいのことは、人間としてしてもらいたいものです。

安倍さんは、実力もなく勢いで首相になったものの、限界を感じて辞めました。投げ出し政権が続く最初の例を作った訳ですが、今考えれば、最後はかなり責任を感じて元気もなかったですよね。

続く福田さんは、やはり首相の器ではなかったし、政治家として駆け引きが下手だったので、墓穴をほってしまった。悪気は (政治家としては) なかった方だろうし、自分が至らないから、別の人に任せて身を引いたのは、自分勝手な部分もあるでしょうが、党や国政のことも考えた上での行動でしょう。そういう部分は、批判的な立場にある人からみても分かります。

でも麻生さんは何? 自分の力で何かできたでしょうか? 自分の過ちや、力の至らなかったことを反省する態度を少しでも見せたでしょうか? 支持率が落ちても落ちても、もっと頑張れという叱咤激励と受け止めるなんてことをほざいてましたよね。最近は、ようやく自分や自民党に対して批判があることを認めたものの、いつも「真摯に受け止める」とか「謙虚に受け止めなければならんと思います」と言うだけで、何も変わらない。いや、悪化する一方。1つとして、麻生政権でよくなったものはないんですよ。ただの1つも。第一、これまで何を謙虚に受け止め、反省し、改善してきたといえるんでしょうか?

それで、「我々は少なくとも、確かな実績をもって、その上で着実に政策を進めてきた政府・与党、自民・公明の連立政党。私は逃げずに、公約をもとにして国民に信を問いたい」と言えちゃう人っていうのは、ある意味すごとは思いますが、馬鹿にするものいい加減にしろと言いたい。

さらには、「少なくとも去年の9月に、少なくとも党員による選挙、議員による選挙であります。党員を含めての、せ、地方、地方の党員票を入れての選挙をやった上で選ばれた」なんて、さらりと言ってるようですが、去年の9月にそれなりの人気があったのは確かだったということと、今の状況を比較すれば、いかに国民の期待を裏切ってきたか、能無しだったかということですよ。よくもまあ、そんなことが平気で言えたもんです。



それにしても、政治家はいいですよね。首相として歴史的敗北が迫っている麻生さんも、政権を途中で投げ出した安倍さんや福田さんも、不祥事を起こして辞任したたーくさんの大臣達も、その職を辞任すれば終わり。それで責任が取れて、謝ることさえしなくても済むと思っている人たちですから。民間組織であれば、良くて減給や左遷。悪ければクビでしょ? 会社に損害を与えたのなら、損害賠償も求められる。

でも政治家は、税金の無駄遣いや横領をしても、辞任すれば終わり。年金問題のときだって、国民のことを責めておいたくせに、自分達も支払ってないことが分けると、臨時法案を通して特別に支払える期間を設定し、それでちゃら。あー、夢のような職業。どこかの国の将軍様がうようよいるのが、今の日本の国会というところなんでしょうかね。



ちなみにカナダ国営放送 (CBC) のニュース記事のコメントで、日本に6年住んでいるという人のコメントがありました。

Having lived in Japan for six years, I was given an intensified view of democracy. The prime ministers whirl through turnovers (often in disgrace, only to resurface a few years later) while absolutely nothing fundamental changes. It's all a huge, scripted show for an unthinking electorate, dictated strongly from behind the scenes by the massive Japanese corporations, and occasionally (and quite openly) by the yakuza (the Japanese mafia).


勝手に訳すと、こんな感じになります:

日本に住むこと6年、この間に民主主義観についてかなり考えさせられた。繰り返される政権のつまづきで首相はくるくる変わるが (それも、多くは恥をさらしながら、わずか数年後には平気な顔で出てくる)、その実、根本的には何も変わっていない。すべては、有権者のことなどは考えていない、巨大企業による、そして時には (おおっぴらに) ヤクザによる、強力な支配を受けた、台本どおりの大掛かりなお芝居に過ぎない。

これに賛成する人17人。反対は2人。海外から見て、やはり日本の今の政治がまともではないということは常識になっているようです。

さて、これからどうなるんでしょうかね。次のお芝居の脚本を書くのは、いったい誰でしょうか?



(お断り:発言部分は朝日コムの記事より引用しました)