診察台ごと電車に乗る

今日は仕事だったのですが、出勤のためにスカイトレインという、バンクーバーを走る電車 (一応モノレールに分類されるのかな?) に乗ったところ、すぐ後ろから大きな診察台のような台車を押して女の人が乗り込んできました。その台には、ご主人かと思われる方がうつぶせに寝ていました。見た感じ、お二人とも50代くらいで、病院への行き帰りというより、普段から移動に使っているような、慣れた感じを受けました。

救急車に備えつきの、車輪のついた担架というよりも、シングルベッドくらいの大きさで、よく車内に入ったなとちょっと感心しました。先にスカイトレインに乗っていた人たちに場所を空けるように指示を出し、テキパキと車内に台車が収まるように動かしているのは、ほんと、慣れた手つきでしたね。

さすがにみんな、最初は吃驚してましたが、そこは何でもありの国です。みんなすぐに場所を開けて協力してあげました。

ただ、なかなかうまく入らなかったようで (入ったことは入ったけど、収まりが悪かったのかな)、何度も入りなおしてるうちに、(無人の電車なので) まだ半分くらい台が外に出ている状態でドアが閉まってしまいました。その時はたまたまドアの近くにいたので、反対側にいた人と無理やりドアを抑えて開けてあげましたが、乗っていた方はちょっと怖かったでしょうね。どうしていいのか分からないといった表情で固まっていました。



でももしこれが日本だったら、まず診察台ごと電車に乗ること自体、ありえないでしょう。地下にある駅なので、エレベータで下ってきたらしいのですが、日本じゃそんなものが乗るエレベータなんてないだろうし。

また、周りの人たちが皆、ちょっと吃驚はしたものの、当たり前のように協力してあげて、その後もじろじろ見たりせず、景色に溶け込んでいた感じだったのは、やはり日本じゃ考えられませんね。そういう所は、みんな大人だなと思いました。

北米での暮らしでは、これまでにもいろいろと吃驚することが沢山ありましたが、今日のことは、驚きながらも何となくホッとするような出来事でした。いろんな人生があって、いろんな暮らしがあって、いろんな人がいて、それが良くも悪くも、海外で暮らしていくことなんだなーと、改めて思いました。