空から降ってきたオタマジャクシ

日本では、空からオタマジャクシや小魚が降ってきたという話題で持ちきりのようですが、真相は何なのでしょうか。

鳥が上空で餌を吐き出したとか、竜巻によるものだとか、果ては宇宙人の仕業とか、いろいろ説があるようですが、どれが正しいのでしょうか。または、複数の原因があるんでしょうか。



実は以前に書いたバート・ストライクの記事を思い出して考えてみたんですが、例えば猛禽類がハトやカラスを襲った場合、襲われた方の鳥は少しでも身体を軽くして早く飛ぶために餌を吐き出すことがありえるんじゃないかと思うんですよ。捕まえようとしたセミが飛んで逃げる時におしっこをかけるような感じで。これなら、大量に吐き出す理由として納得できますよね。

あとは、食べ過ぎで「おえっ」ってなったとか、まずくて捨てたとか。飛ぶ時はかなりの体力を使うでしょうから、食後すぐだと「おえっ」ってなるのも想像できますしね。

これは鳥説を補強する説明になりますが、竜巻ではなくてもちょっとしたつむじ風で起きる可能性もあると思います。



実はアリゾナにいた時、小型の竜巻 (もどき) に巻き込まれたことがあるんです。竜巻までいかないけど、つむじ風では済まない大きさのやつに。

アリゾナは乾燥しているので、地面が温められて上昇気流ができ、あちこちで小型の竜巻ができます。最初にいった学校の近くは綿花地帯で、収穫後はだだっ広い砂だらけの景色が広がります。そこによく、高さ何十メートルかの竜巻ができてました。こんなにも簡単に竜巻ができるのかって、ちょっと吃驚したことを覚えてます。

フリーウェイを走っていた時には、いわゆるトルネードを見たこともありました。何十キロも先でしたが、相当なスピードでうねうねしながら移動してましたよ。お願いだからこっちにこないでくれと、苦しいときだけの神頼みを必死でしてました (笑)。いや、笑い事じゃないんですけどね、本当に遭遇した時は。

で、ある日車で自宅の近くの交差点に差し掛かった時のことですが、見晴らしもいいし他の車のなかったものの、一応一時停止のサインで止まったんですよ。そしたら何と、車の目の前でぐるぐると渦巻きができ、あっという間に直径2メートルくらいのつむじ風ができたと思ったら、車に向かってきました。ほんの一瞬で車ごとその中に飲み込まれたですが、さすがに車を持ち上げるほどの力はなかったようで何も被害はありませんでした (ちょっと揺れましたけど)。でも、正直生きた心地はしませんでしたねぇ。飲み込まれた時は窓を閉めていたので良かったですが、前後左右、まったく何も見えませんでしたね。当たり前といえば当たり前だけど、竜巻の中ってこうなってるんだって、半分冷静な自分がいたことも覚えてます。

車のせいで乱れたその小型竜巻は数メートル先で崩れてしまいましたが、もしこれが歩いている時だったらと思うとぞっとします。少なくとも、ハトやカラス程度の鳥なら飛ばされるでしょうし、池で発生したなら、小魚くらいは吸い上げられるでしょう。人でも、転んで怪我はするでしょうね。

こういう現象が日本でも頻繁に起きるのかどうかは知りませんが、もし起きたとすれば、今回のような、オタマジャクシが降ってくることもありえるでしょう。いわゆる竜巻ほど大きなものではないので、観測にもかからないだろうし、短時間で消えてしまえば、目撃される可能性も少ない。だから、こういう可能性もあることはあるでしょう。

最近は異常気象で、これまでになかった気象現象が至るところでみられます。こうした小型竜巻も、もしかしたら発生しているのかも知れませんよね。



あとは、いたずらとか、宇宙人の仕業とか、一応そういう可能性も残しておいてあげましょう。でもいたずらだとしたら、代償に見合うだけのことじゃないから、よっぽど暇な人じゃないとできないだろうなぁ。小魚やオタマジャクシもかわいそうだし。まあ、この不景気で、そんなことしてる人がいるのか大分疑問ですが。