平壌便り 号外

今日は、Chikirin さんのブログに啓発されたので、タックスの処理もほったらかしに、そのネタを パクり 参考にして、将軍様親子の心温まる人間ドラマを書いてみたいと思います。多少不謹慎ネタとも思えますが、実際こんなもんかもなと思うところもあるもので、その辺は大目に見てやってください。



共和国の偉大なる金正日将軍様 (以下、将軍様):ったく、ミサイル失敗しちゃったじゃん! 絶対大丈夫だからって言うから許可したのに。太陽節 (=将軍様誕生日) も近いってのに、恥かかせやがって。担当者全員打ち首にしてやろうか!

側近:将軍様ぁ、将軍様ぁ、

将軍様:んだっこらっ!

側近:はっ、正男様 (将軍様の長男) よりお電話が入っております。

将軍様:なに正男からか? 商談でもまとめてきたのかのぅ。

側近:こちらのお電話になります。

将軍様:おう。あーもしもし、俺だ。正男か? 最近連絡もせんと、どこで何しとるとか?

正男:あ、パパ? 久しぶりだね。今パキスタンから。1つ商談が取れたから報告しようと思って。でも何かミサイル途中で落っこちちゃったみたいだけど、大丈夫?

将軍様:ああ、まったくけしからんよ。2月にイランで人工衛星打ち上げを手伝った時はうまくいったから、今度も大丈夫だと聞いてたのに。これじゃ売り物にならんよ。それなのによく商談まとめたな。大したやつだ、お前は。あ、それから、いい加減パパと呼ぶのは止めなさい。お前をヨーロッパに留学させたのは俺だが、西洋かぶれしてもらっては困る。それに親子とはいえ、俺はこの国の主なんだからな。

正男:わかったよパ、将軍様。まあ、イランではうまくいったけど、今回はパ、いや、将軍様の太陽節に間に合わせたくて急いだからね。途中で落ちちゃったのは、人工衛星と区別付かないようにわざと途中で落下させたんだと言っておいたよ。ちょろいもんさ。それに、担当者も働きづめで頑張ったんだし、もう一回チャンスあげてもいいじゃん。またやった方が、日本とか南 (=韓国) とか、アメリカの動きも調べられるし。中国とロシアは今回、日米の軍事レベルを図れたって、とても喜んでたらしいし。

将軍様:そうか、それは良かった。ま、もともと弾頭には何も入れてなかったしな。で、商談はパキスタンとか? それとも、えーと、シリアにエジプトにイエメンだっけ、そのどれかかな?

正男:今回はアルカイダだよ。やっぱ国家レベルの軍事技術はどうしても欲しいみたいだね。

将軍様:お前、なかなか商人として実力をつけてきたじゃないか。まさかお前がこんなにおおっぴらに武器商人として仲介役を果たしているとは誰も思ってないだろうからな。

正男:いやいや、CIA とかはとっくに知ってるよ。知っていて泳がせているつもりみたい。でもこっちも、その裏をかいているから大丈夫だよ。

将軍様:そうかそうか。ところでお前、俺が跡継ぎに指名しないと言ったこと、恨んでないか? 決してお前が憎い訳でも、お前に能力がない訳でもないんだからな。

正男:わかってるよパ、将軍様。人にはそれぞれ、自分にあった才能ってのがあるからね。

将軍様:お前には、商人としての才能がある。兄弟の中で、一番最初に数字を覚えたし、兄弟喧嘩でも仲裁役を買って出ていた。時に強引に物を押し付けたり、足元を見透かして譲歩を引き出すところなんて、親譲りだしな。お前は物事をまとめるのがうまいんだよ。

(側近:それって単に長男で強引だからだと思うけどな。将軍様も親ばかだなぁ。)

将軍様:昔のことだが、少年キムという小説があってな。これがいい話なんだ。キムはキムでも、金じゃないけどな。機会があったら今度読んでみなさい。日本の古本屋にあったものを特殊部隊に命じて買わせてきたんだが、もう今じゃ絶版になってるそうだ。もったいないことだ。でもお前をその小説に重ねて、商人キムってのもいい話じゃないかと思ったんだよ。

正男:それったただの駄洒落? しかも日本語の駄洒落だよ、パ、将軍様

将軍様:凄いだろ? 俺が日本語を知ってるなんて誰も思わないだろうな。ハハハハハハ。

正男:ハハハハハハ。。。

側近:。。。(汗)

将軍様:ところで、だ。今度の太陽節には帰ってくるのか? たまには顔を見せなさい。じいちゃん (金日成) の時 (2月にある民族最大の名節=金正日総書記誕生日) も帰ってこなかったし。いいか、家族や身内は大事にするもんだ。身内をまとめられなければ、国なんてまとめられないんだからな。見ろ、日本を。自分の政党でさえまとめられないようなやつが首相になったり、なろうとしてるだろ。あれじゃダメだ。もうボロボロだろ。家族や身内は手厚くもてなさなきゃいかん。あとはどうでもなる。

(側近:でも俺、そんなに優遇されてないよなぁ、、、)

正男:そうだね、わかったよ。太陽節には帰りたいと思ってるけど、商談次第かな。アルカイダの所だけに、CIA の追跡をかわすのに時間がかかるからね。あ、そうそう、日本で思い出したけど、発射の誤報があったらしいね。あれって何なの?

将軍様:ああ、あれか。実はミサイルの近くでな、わざと別の燃焼実験したり、ミグを飛ばしてみたんだよ。日米韓の探知能力がどんなもんかと思ってね。そしたら案の定、日本が引っかかった。アメリカはさすがにちゃんと区別したみたいだがね。しかも日本は、誤報の後で、指示があってもしばらく時間をかけて確認作業をするようだから、これなら本気で打つ時は簡単にやっつけられそうだ。やつら、平和ボケもいいところだな。

正男:ふーん、そういうことだったんだ。いやね、日本以外ではあんまり報道なかったから、実際何があったんだろうって気になってたんだ。でもさすがはパ、いや将軍様。そこまで計算づくとはね。

将軍様:なんせな、カネがないから、1つのことでいろいろ試したいのさ。ま、今回のミサイル発射は、最後落っこちた事以外は計画以上の大成功だ。

側近:しょ、将軍様、そろそろお電話を切り上げないと、衛星国際通話の料金を支払う外貨が不足しておりますので。。。

将軍様:おお、そうだった。外貨は無駄にできんな。特殊暗号化回線だから料金も半端なく高いしな。最近偽札を刷る材料も不足してきたしなぁ。正男、そういうことだから、また何かあったら連絡してきなさい。次回のミサイル打ち上げまでは、イランかパキスタンにでも頼んで軍事衛星を打ち上げるから、その時はその衛星で思う存分電話できるようになるだろう。そしたらゆっくり話をしよう。

正男:了解、パ、いや将軍様。それじゃまた適当に雲隠れして、いろんな憶測を呼ぶようにするといいよ。それを楽しんでるやつらも結構いるみたいだし。

将軍様:ああ、そうするよ。少し釣りにでも行きたいしな。

(側近:ありゃ、また釣れるように仕掛けつくらせなきゃ!)

将軍様:それじゃ、またな。

正男:はい、また連絡します。今度帰る時は輸入禁止になってる贅沢品をたんまり持っていくから楽しみにしててください。日本製の高級電化製品、だいぶ調達してあるからね。

将軍様:おー、頼んだぞ。じゃな。

(ガチャ)