全国学力調査結果の開示問題についてちょっと思う

橋下知事の発言が行き過ぎだとあちこちで苦言が呈されているようです。確かに、地方自治体のトップが公式の場で発する言葉としては、度が過ぎている気もします。でも、重要なのは、そうした言葉尻をつかむことではなく、発言内容を吟味することじゃないでしょうか。

序列化につながるからとの理由で全国学力調査の結果を公表しないようにという文部科学省の要請があるようですが、それではいったい何のために全国学力調査をやっているんでしょうね。公表せず、教育委員会がその結果を生かそうとする意思がないのなら、この調査は必要ないんじゃないでしょうか?

生徒や学校に無駄な時間を割かせ、結果が出るまでめちゃくちゃ時間がかかり (=当然採点のために税金も相当使う)、ようやく結果が出ても「公表するな」と言うのなら、やらなくていいじゃないですか。少なくとも、全国単位で行う必要性はゼロですよね。

このテストは、国のためでも、教育委員会のためでもないはずです。無理やり時間をとられ、ただでさえ学校や塾のテスト攻めのに遭っている子供たちや現場の先生にこそ、きちんと報告すべきものです。これじゃ、ただのモルモット。それも、餌ももらえずに、ただ走らされているだけです。ひどいと思いませんか?

つまり、教育委員会文部科学省が、予算という名の収入をもらいたいために、子供たちや現場の混乱なんてこれっぽっちも考えずに、自分たちだけのための不要な仕事を無理やり作っているような気がするんですが、違いますかね? 少なくとも、そう思われても仕方のない状況ですよね? 橋下知事の発言が、元々はこの部分に焦点を当てているってことを、メディアもちゃんと伝えるべきでしょう。単に記事として注目を浴びるような書き方で読者を煽るのではなくてね。

ま、メディアもしょせん、(例えばこの記事で書いたように) 自分たちのことしか考えてないですから、期待する方が馬鹿ですけど。



それから、橋下知事教育委員会が (全国学力調査の件だけでなく) きちんと本来の役割を果たしてないことにも怒りをあらわにしているわけです。教育委員会にも予算がつき、それは大阪府民の税金で賄われているんですから、無駄を少しでも削りたい知事としては、きつい言葉で迫るのもある意味仕方のないことでしょう。だって、これまでにも再三「ちゃんとやってくれ」と言ったのに、結局何の成果も出してないんでしょ? 機能してない組織に、なんで予算をつけなくちゃいけないんですかね。いわゆる給料泥棒じゃないでしょうか?

まあ、教育委員会に限らないですが、税金から配分される予算をもらって、それが自分たちの当然の収入だと主張し、ろくに働きもせずに知事をこき下ろす人たちは、それこそ教育者 (または教育に関わる人間) の風上にも置けないと思います。少なくとも一般企業においては、何の成果も挙げてないし、その努力もしないような部署には、予算などつけないでしょう。結局は役人と同じ、甘ちゃんなんです。その職にあれば、肩書きがもらえて、自動的にお金が入ると思っているダメ人間。こんな人たちが教育委員会なんてやってるから、今の教育がおかしくなってるんじゃないでしょうか? (もちろん、中にはちゃんと頑張っている教育委員の人もいるとは思いますけど)

ちなみにこのブログには、結構各地の教育委員会からアクセスがあります。こんな個人ブログを見ている暇があるなら、もっとやることあるんじゃないでしょうか? それとも、このブログがそんなに役に立つんですか? もしそうなら、ちょっと嬉しい反面、プロの教育者は何をやってるんですか? 存在価値が本当にあるのか、考えれば考えるほど疑わしくなります。



一方で、橋下知事も相当頭にくることばかりが重なり、言葉を選ぶ余裕がなくなってきたのかも知れません。失言、暴言といわれても仕方のない言葉を使ってしまいましたね。これは反省しないといけないなぁ。間違えは誰にでもあるんだから、それをちゃんと認めて正していくのが、トップたるものの構えじゃないかなって思いますね。そして、同じ誤りを繰り返さないこと。政治家は自分の間違えを認めようとしませんから、橋下さんがそうならないことを願うばかりです。

とはいえ、周りが敵ばかりの中で一人で頑張っているんだから、もう少し府民も協力してあげればいいのにと思いますよ。結局は、福田さんといっしょで、ひとごとだと思っているんでしょうかね (一億総ひとごと?)。でも、最後には自分たちに返ってくるんですよ。

そして、それは大阪だけの問題じゃなくて、すべての国民にも言えることです。大阪には、腐りきった政治や役人の世界に橋下知事が切り込んでいったわけですが、国政をみると、もっともっと腐っている政治や役人に対し、まともな政治家が切り込もうとする気配もないんです。首相は二人続けて仕事を放り投げるし、国のトップとして十分な才能や経験を積んだ、器のある人が自民党の総裁選に出ているとは思えません。少なくとも、立候補している人の中に、国を引っ張っていけるだけのリーダーシップがある人はいないと思います (大臣の器と、首相の器は違うんですよ! 人気があればいいってもんじゃないし)。

これじゃ、いくら橋下知事が頑張って大阪を再生させたとしても、日本という国はぼろぼろになるだけでしょうね。首相もあてにできないし、首相を支えるべき参謀らも、「やーめた」と言わせないように知恵を働かせることも、叱咤激励することもできない、そういう国ですから。戦国時代なら、真っ先に滅んでいる国でしょう。

こういう大人たちの振る舞いを見ている子供たちは、将来日本にどんな期待をしているんでしょうか。いや、何か希望とか持てるんでしょうか? 今の子供たちはかわいそうだな。