カナダもようやく「Do-Not-Call-List」が始まる

お隣の米国では「Do Not Call (セールス電話拒否)」リストへの登録および運用が2003年10月から一足 (いや、二足も三足も) 早く実施されていますが*1、カナダでも今年9月30日から同様の制度が施行されることになっています。これは2005年から議論されていたものですが、業界の反対に屈してなかなか準備が進みませんでした。

Do-not-call list website:www.lnnte-dncl.gc.ca/

現在も迷惑電話や迷惑ファックスは毎日必ずかかってきます。平日の夜も、週末でさえも、お構いなしです。いくつもの番号を受信拒否リストとして電話会社に登録してありますが、もう一杯になってしまい、追加できません。あとは Caller ID をみて、心当たりのない電話には出ないようにしています。留守電にはつながるので、大事な電話ならメッセージを残すはずですし。

たくさんの迷惑電話がある訳ですが、その中でも最近一番しつこいのが 866−233−2777 という電話番号からのものです。これ、名称はずーっと Unknown か Blocked と表示されてたんですが、ある時「NCO Customer Ma...」と表示されました。今まで名称を意図的に隠していたようですが、Do-Not-Call-List が9月1日から正式に施行されると発表されたとたんに名前を出したんです。いかにも、ちゃんとした会社からだから、電話とってくださいねっていう意図がみえみえです。ちなみに会社名は「NCO Customer Management Telemarketining」らしいですが、細かいところで違う表記もするみたいです。実にいい加減な会社です。

で、この番号でちょっとググってみると、正体不明の電話番号について情報を共有するためのサイト「800Notes.com」を見つけ、同じようにこの会社からしつこく電話がきて困っている人が大勢いることが分かりました。

「866−233−2777」に関する情報:800notes.com/Phone.aspx/1-866-233-2777

この番号についての書き込みを見ると、単に製品やサービスを売りつけるテレマーケタという説と、Capital One などのクレジット会社の代行で支払いを求める Collection Company (債権回収会社) の説があるようです。しかも、借金などない人に無差別に電話をかけているので性質が悪いですね。

法的機関への通報もされているようですが、一向に効き目はないようです。バンクーバー近郊のサレー市に住所があるようで、これまではアメリカの Do-Not-Call 制度を回避するためにカナダでやってきたのでしょう。でもカナダでも Do-Not-Call 制度が施行されれば、廃業もしくは検挙されるのも時間の問題です。だから余計にあせって電話をかけてくるかも知れないのがちょっと心配です。 (実際、1日にかけてくる回数が1回から2〜3回に増えてますし。)

しかしどうしてこういう悪徳企業がなくならないんでしょうか。電話番号だって、電話帳などに載せてないのに見つけてくるというのは、お上か電話会社とグルになっているとしか考えられないですよね。実際、Telus というこちらの大手電話会社は、顧客の電話番号を販売していることを認め、それを当然の商行為だと述べていたくらいですから。

前にも迷惑電話については、「迷惑電話で分かる犯罪者の知能レベル」と「悪質な迷惑電話」という記事を書いたのですが、うっかり電話を取るだけで、変なところに登録されてしまうこともあるので、みなさんも注意した方がいいですよ。電話版のワンクリック詐欺みたいなもんですから。

*1:注:米国では、セールス電話拒否どころか、「Do-Not-E-mail(迷惑メール拒否)」リストも議論されています。ただし実質的な効果はなく、仕組みが複雑でプライバシー問題の懸念もあるため、米連邦取引委員会 (FTC) は乗る気じゃないようで、こちらの効果はあまり期待できないようです。それどころか、まだ実際には存在しない Do-Not-E-mail リストの偽モノに登録させてスパムを送りつける悪徳業者まで現れたそうなので (参照:FTC のサイト www.ftc.gov/opa/2004/02/spamcam.shtm)、この制度の実現は難しいでしょうね。