薬の名前を教えようとしない医者

世の中、本当に頭の下がるすばらしいお医者さんがいる一方で、患者を見下して儲け主義に走る医者がいるのも事実です。

実はカナダに来てからというもの、水が合わないせいか、手などに湿疹ができたりしてなかなな治りません。最近はガサガサになってひび割れもひどく、手だけみると実年齢よりも5割くらい余計に歳を取っているようにさえ見えます。症状はアトピーに酷似しているんですが、似たような違う病気のようです (病名もちゃんと教えてくれないし)

最近の水の濁りをみても、バンクーバーの水質がよくないことは明らかです。カナダ統計局によると、バンクーバーはカナダの主要な都市の中で、2番目に水質が悪いとのことです。。。これじゃ、病気にもなりますね。



で、カナダで医者に手を見せたところ、処方してくれたのはステロイドの入った塗り薬でした。その時医者は塗り薬を出すと説明しただけでステロイドのことは何も教えてくれなかったのですが、知識があったので薬をもらう時に薬剤師の人に聞いたら、やっぱり入っているとのことでした。薬剤師さんは、丁寧に注意すべき事項を説明してくれましたけどね。

まあでも、薬には成分が書かれているし、処方箋にも細かい情報が書かれているため、その気になれば自分でも調べられます。最近はネットで簡単に調べられるようになったので、医者も聞かなければいちいち教えない人もいるようです。    (それもどうかと思いますが)



でも、前に日本に帰国した時に診てもらった医者はひどいものでした。ステロイドが入ってない、東大の先生が作った新しい薬だと言って塗り薬を処方してくれたんですが、薬の名前を聞いても一切教えてくれないんです。いくら聞いても、「どうせカナダじゃ、東大で作ったくすりなんか手に入らないよ」とか言って。

それでも粘って、成分が何かを無理やり書き出してもらい、その紙だけはもらってきました。後で薬の容器とかに書いてある番号で調べられるだろうと思って。

ところが、診察の後に窓口でもらった薬は、処方の部分に「手」とだけ書かれた袋に入った、無地の容器に入れたものでした。軟膏を本来の容器からその無地の容器にわざわざ移し変えて、
一切薬の詳細が分からないようにしてあります。
もちろん、使用の説明もありません (紙も口頭の説明も)。

あまりにひどいので、これは1日何回まで塗ってもいいんですかと看護婦に聞くと、笑いながら「何回でも好きなだけ塗ればいいのよ」という返事。もう言葉がありませんでしたよ。    (この看護婦、医者よりも偉そうに威張っていたし)



これってひどいですよね。薬の名前が分かってしまったら他の医者にかかってしまい、「客が減る」というのが理由なのは、火を見るより明らかでしょう。「患者=金」のことしか考えてないようです。だって、薬を出す時に、その用意よりも「点数はいくらつく」なんてことを医者とでかい声で話してたくらいですから。



ええと、成分が分かるなら薬の名前も分かるだろうと思うかもしれませんが、手書きで書かれた成分の名前は判読が難しい上に (わざとそう書いたのかも知れないですが)、ネットで調べてもよく分かりませんでした。非ステロイド系の軟膏にもいくつかの種類があるので、そのどれかも分かりません。

幸い、特に副作用のようものはみられず、ステロイド入りの薬ほどではないですが、夜寝る前に塗り込めば翌朝は湿疹やひび割れのほとんどが改善されています。しかし完治はせず、皮膚の乾燥は年々悪化が進み (薬のおかげで進行は遅くなってますが)、もう薬なしでは生活できない状態です。    (これが副作用なのかな?)



医者が薬の名前を教えないという例はかなりあるようで、ネットで検索するとたくさんヒットします。病院などに相談している例もありますが、答えは「そういう医者にはかからない方がいい」というものばかり。医者から無理やりにでも薬の名前を聞き出す方法 (例えば行政監督局に訴える方法とか) を説明したものは見当たりません。

つまり、悪い医者にあたったら、違うところに行けばいいと言うだけ。悪い医者を指導させるような仕組みはないのか、あっても機能してないようです。

もうすぐ日本に帰国してその医者のところにまた行くのですが、かなり高齢のおじいちゃん先生なので、今回名前を聞き出せなかったら、もう永遠に分からないかも知れません。何かいい方法があればいいんですが、うまく行くか心配です。



今回は手の湿疹や荒れ程度のことで、命に別状はない程度のことですが (でも患者にとっては深刻なんですよ)、医者とか病院というのが、何の疑いもなしにかかれるものではないという事を思い知らされてます。実は父親も以前、医療事故で大怪我をし、別の病院が力になってくれたおかげで示談に持ち込むことができた経験もあります。

怪我は前歯を2本折るほどのものでしたが、その病院は「本人の不注意によるもの」で済まそうとしてましたから。実際には、必要なスタッフが欠けた状態で診察をし、病院や法律で定められた規定に違反してたんです。結構大きな大学病院なんですけどね。



人の弱みにつけこむ医者や病院はそこらじゅうにあります。バンクーバーでも、給料を上げろと医者がストを何週間も続けたために救急で運ばれた患者が放置され死亡した事件もあります。もちろん、手術待ちの患者も待ちぼうけです。簡単な処置程度なら看護士などでも可能ですが、人手が足りないために、(エスカレータの乗り降りや階段の使い方など) いかに怪我をしないかをニュースで説明していたくらいです。

厚生労働省なんかも、薬害エイズや肝炎で苦しむ人を切り捨てようとしてますよね。人の命なんて、国も医者もその程度にしか考えてないんでしょうか。



まったく、恐ろしい世の中になってものです。