政治家たちのハロウィーン

今日は10月31日。ヨーロッパや北米では子供達が楽しみにしているハロウィーンです。一軒家では、庭先や家の外壁にいろいろな飾り付けをして、一面お化けとカボチャの世界になるのですが、コンドミニアムが多いダウンタウンでは、お店のディスプレイなどでちょこっと飾り付けがある程度です。

毎年この時期には、ささやかならがパンプキンパイを食べるのが楽しみだったのですが、今年は諦めました。いつも買っている店でパンプキンパイが買えず (いつ行っても売り切れで、予約するほどの執着もなかった)、他のところだとちょっと値段が高いんです。

まあ、値段の違いは1〜2ドルなんですが、それで美味しくなかったら嫌ですからね。結構店によってパンプキンパイの味は違ってくるんです。薬みたいな味のものもあるし、それに食べきれない程の大きさだったりするし。特に最近は、北米でも食品の原材料などに問題が出てきていますので、薬の味がするパイなんて食べたくないですから。糖分も多めなので、ダイエットには大敵な訳で、これは「食べるな」という天の声かと勝手に思うことにしました。。。

テーブルの上や暖炉の上なんかに飾る小さなカボチャも今年はなく、我が家では、今年はハロウィーンがなかったことになっています。でも、テレビをつけるとさすがにハロウィーンのことがたくさん放送されているし、映画もホラーばっかり。カナダに来たばかりの頃はカボチャをカービングしてジャック・オウ・ランタン*1を作ったりして楽しんでましたが、最近はちょっと飽きてしまいました。ま、今では子供が「Trick or Treat」(お菓子くれなきゃいたずらしちゃうぞ) と叫んでお菓子をもらいに行く行事って感じですからね。



でも、毎年毒入りお菓子が見つかったり、ランタンによる火事や放火事件、お化けに化けて (?) 強盗に入ったりと、ちょっと物騒な感じになってます。また、カナダでは子供達だけが勝手にお菓子をもらいに行くことはできません (12歳以下の子供は保護者が付いている必要があるため)。親が手を引いて、子供達がお菓子をもらう家まで一緒に行きます。しかも、毒入りの心配もあるので、もらったお菓子を全部捨ててしまう場合もあるとか。だったら初めからもらわなければいいのにって感じです。パンプキン・パーティとかを近所でやればいいのになぁ。   (パンプキンパイ投げとか、パンプキンパイ早食い競争とか、パンプキンパイ味比べ大会とか、スイカ割ならぬパンプキン割りとか)

だいたい、ハロウィーンにカボチャってのは、北米人 (恐らくアメリカ人) が勝手に作ったものです。本来はカボチャではなくカブ (蕪) でした。ハロウィーン発祥のヨーロッパでは、いまでもカブを使っているところがあるそうです。本来は宗教的な意味合いを持つ行事なんですが、北米人は都合のいいように変えてしまったんですね。なんでも、北米ではカブがあまり馴染みのないものだったからとか、カービングがやりやすいからとか、そんな理由かららしいです。北米人の宗教観って、その程度なんですよ。

そんなこと言ったら、日本のクリスマスやバレンタイン・デーなんてもっとひどいって話になりますけど。。。



そんな訳で (どんな訳だ?)、何にしてもきちんとルールを守ることは大事なことです。    (はい? かなり強引な展開ですね)

例えば、自民党民主党の間で話し合われた国会同意人事ルールで、「政府の人事案件提示前に、人事が報道された場合は、原則として当該者の提示は受け付けない」としたこともその1つ。つまり、国会内で正式に話し合われる前に報道されてしまい、世論の圧力なんかが掛からないようにしたい訳ですね。面子とかもあるし。

これについて、自民党は合意した後になっても、文句を言っているわけです。朝日コムによると、

大島理森国対委員長は記者会見で「国会は出されたものを審査する場だ。情報漏洩(ろう・えい)しないよう努力しなさいとは言えるが、政府の提出権を事前に判断することが本当にいいのか」と指摘した (朝日新聞より)

そうです。

これ、一見正しい意見に見えますが、要は約束を守れるかどうか自信がないってことでしょ? あの人たちは、「努力しなさい」と言われたものは「やらなくていい」と解釈する人たちですから。自民党はこれまでも、いろんなことで約束を破ってきたわけです。それが最近になっていろいろ曝露され、政治基盤がガタガタになったんですよ。閣僚に対して、失言には注意するようあれほど言っているのに、鳩山法相が「私の友人の友人がアルカイダ」と言ったり。

これをいさめた町村官房長官自身も、「テロとの戦いの戦列から、極めて国内的な事情で日本だけが脱落していく。日本がマイナーリーグになり、国際社会の一員としての責任を放棄してしまうという意味で、日本の将来に大きな汚点を残す」と言ってますね。これ、つまり、国連の活動の枠内でないからという理由で支持していないロシアなども責任を果たしてないと言っていることになります。アメリカのやり方に従わない国は二級品だってことです。自衛隊の海外での活動は国連の枠組みに沿って行うというルールを、町村官房長官は無視しているんです。

そういう、ルールをきちんと守れないような政治家には、やはり守らせるルールが必要なんです。どうせ自分達で決めたことでさえロクに守らない自民党なんだから、これはいろいろと、手かせ足かせをしなくちゃダメでしょう。ゼロ円からの領収証公開だって同じこと。何でも都合のいいように自分達だけで決めてしまおうとする自民党は、国民の信用なんてもうないんですよ。毎日がハロウィーンのように Trick or Treat をやっている自民党に対して、国民はもうお菓子をあげるつもりはないんです。

やっぱりね、単一の政党が絶対的な実権を握り、長期政権を手にしている状況は、何ひとついいことないんです。民主党参院選で勝たなかったら、果たして年金の問題とか、厚生省による薬害肝炎の問題とか、防衛省の不正とか、究明が進んだでしょうか? 絶対になかったでしょうね。これは全部、政治家や役人がルールを守らなかったり、ルールの抜け穴を悪用してたからです。



こういう連中こそ、ハロウィーンのお化けに食べられてしまえばいいのになぁ。でも、お化けも、こんな不味い連中は食べないのかな? ジャックみたいに、地獄にさえも受け入れてもらえないような連中でしょうからね。Trick or Treat と叫んで権力を乱用し、甘い汁を吸っているんですから。

Trick or Treat は年に一回のハロウィーンだけに使うから効果があるもの。政治家や役人みたいに、毎日使いつづけているのは、欲の塊に成り下がるだけで、何も生まないんですよ。なのに、自民党の人間はまだ気づいてないようですね。化けの皮をかぶっているというよりは、化けの皮 (カボチャ) そのものに成り下がったみたいだなぁ。

さて、次は何をおねだりしてくるんでしょうか。

*1:注:悪さばかりしていたジャックは、死んだ時に天国にも地獄にも入れてもらえず、カブのランタンを持ってあの世とこの世をさまよっているそうです。現在では、ランタンのジャック (ランタンと化したジャックの意味で、ジャックのランタンは間違い) は悪霊を追い払うものとして、魔よけの意味で飾られています。