もう何も食べられない

最近、中国産の食品やら医薬品やらで、ずいぶんひどい話をよく聞きますね。さすがにダンボールを混ぜた挽き肉入り肉まん事件には吃驚しましたが、先日はカナダでも、Colgate 社の歯磨きの偽物が出回ってニュースになっていました。それも、誤って飲み込んだ場合、死ぬ恐れもあるとか。テレビで見た時は、見た目にはまったく偽物とは分からないほど、外装はよくできていて目を丸くしました。

参照:www.cbc.ca/consumer/story/2007/07/06/toothpaste-healthcanada.html

中国産の歯磨きが危ないとは前から言われていましたが、本物そっくりに作られた偽物だと、間違って使ってしまう可能性は高いだけにゾッとします。今回の偽物は、「Colgate Fluoride Toothpaste Herbal」と「Colgate Fluoride Toothpaste Maximum Cavity Protection」という2種類のものが出回り、非常に高いレベルでバクテリアが混入していたそうです。見分け方も難しく、生産地が南アフリカとなっていて、スペルが「SOUTH AFRLCA」と間違っているところをチェックするくらいしかありません。

この他、中国製の3つの歯磨き製品が同様に危険なレベルにあるとして、一緒に警告が出てます。口にするものは、とにかく気をつけないといけませんね。


それで、先ほどハッと思ったことがありました。

以前、マイブームとして紹介した「フォー」とか (ここに写真あります)、それに入れて食べていた AGAR AGAR (寒天) とかです。フォーは中国産ではないし、体調を崩すようなこともなかったので大丈夫だと思うのですが、中華系マーケットの T&T で買った AGAR AGAR は、やばいかも。思いっきり「中国特産」と書かれているし、
食べた後、そう言えばお腹の調子が悪くなった
ような気がします。

AGAR AGAR を紹介した記事の中では、「プラスチックを舐めているようで、味気ないというか、はっきり言ってまずい」と自分で書いてます。寒天なんてそんなもんだろうとその時は思っていたのですが、今考えるともしかして。。。まだいくつか残ってますが、怖いので AGAR AGAR は処分することにしました。


それから、野菜も怖いですね。今までは個人商店で売っている新鮮そうな野菜を買っていたんですが、これからは多少高くても、安全な商品を扱っている店で買うようにしなければと思います。


野菜類だけじゃありません。肉類はもっと深刻です。

カナダは狂牛病の検査をあまりしてないので (アメリカよりも抜き打ち検査は適当で、全体の2%程度しかしてません)、2年程前から北米産の牛肉は一切食べなくなりました。レストランで出るものは、牛肉をよけて食べたりしていますし、ビビンバなんかも豚肉で作ってもらったこともあります (あんまり美味しくなかったけど)。自分でも、かなり徹底してると思います。  だって死にたくないもん

挽き肉はもう、中華系の店では買えませんし、こちらの店では色がよくないものが売られていたりするので、やはり怖くて買えません。つい先日も、北米の大手スーパー Safeway などで売られていた肉が致死量のバクテリア (だったと思う) を含みかねないとかで、撤去される騒ぎがありました。カナダのかなり広い範囲で売られていた商品で、ニュースでも大きく取り上げていました。大手だからと言って安心できません。

魚については水銀や鉛などが蓄積されているので、カナダ保健省が
週2回までしか食べてはいけない
と警告しています。また、知り合いが韓国系の店で買ったサーモンを食べて、激しい嘔吐に見舞われたことも、つい最近ありました。魚も油断できません (というより店の問題?)

唯一肉類では鶏肉が比較的安全かと思いますが、鳥インフルエンザが流行ると流通量が減って値段が高騰しかねません。そのため、ある程度買いだめして冷凍保存しておくようにしています。真空パックにすれば、結構持ちますよ (1年は楽に)。  (うそです。買いだめの本当の理由は、買いに行くのが面倒だったからです。でも、真空パックのことは本当ですよ。)

お茶も、日本で手に入れたものは飲みますが、さすがに中国茶は止めました。欧州産の紅茶やコーヒーは飲んでますが、これも気をつけた方がいいかも知れませんね。毎日欠かさず摂取するものなので、よく調べなければ。

マーガリンや油も、遺伝子組み替えの大豆などを使っていることが多いので、買うときには慎重に選んでいます。とうもろこし、大豆、カノーラは、カナダの場合ほとんど遺伝子組み替えだと思っていいでしょう。そういう油を使ったファスト・フードの食べ物も、当然ながら身体にいいとは言えません。カロリーもばか高いし、たまにならまだしも、頻繁に食べている人の気が知れません。  いや、美味しいとは思いますけど。

本場よりも旨いと言われる飲茶も、こうなると食べにいけません。それにレストランの場合、食べ物そのものの問題もありますが、市衛生局が抜き打ち検査をして衛生上問題があり、一時的に閉鎖された店がたくさんあります。結構有名な店も多く、日本食レストランも少なくありません。

参考:www.vch.ca/environmental/food/ にある、「2007 Restaurant Closures - July 12, 2007」など (PDF です)

そういえばこの検査では、T&T で売っている惣菜がいつも引っかかります。1年間に7回も検査にひっかかり、その都度商品を破棄させられているのですが、一向に改善されません。テレビでも報道されていたのですが、店側は何とも思わないようです。このことは数年前から知っていたので、それ以来この店の惣菜は買わないことにしています。テレビの報道では、長時間作り置きしておくための温度が、規定よりもずいぶん低いのだとか。電気代をケチっているんでしょうかね。


しかしこうなると、本当に何を食べていいのか分かりません。日本よりも食に対してあまり気遣いをしないカナダでは、自分で自分の身を守るしかありません。原産地の明記もないし、輸入品の場合、わざと賞味期限や内容物の記載されているところに、輸入業者が別のシールを貼って見えなくしていることもあります。日本食品を扱う店などでは、当たり前これをやってます。人が口にするものでも、お金になれば構わないんでしょうね。


海外での生活が、何でも手に入るようになった分、安全ではなくなったように思います。身体に悪い食べ物や偽薬だけでなく、犯罪そのものも「輸入」され、こちらでも「オレオレ詐欺」が流行ってきましたし。果たしてこれから、健康で長生きしていけるんでしょうか? そう書きながら買ってきたチョコレートを食べているのですが、これも大丈夫かなぁ。。。  (もう食べちゃったし)

ついでなので、海外での生活を夢見ている人には、ここではっきり言っておきます。日本と同じレベルで、同じように便利な生活を海外でするのはほとんど不可能です。食事も、お金 (収入) も、安全も、生活習慣も、そしてももちろん言葉も、ぜーんぶ違うんですから。

もちろん、日本にはない開放感や文化、風習を楽しむことはできます。でも、「気楽でいいね」とよく言われたりもしますが、実際に暮らすということはどこに居ても大変なんです。ま、隣の芝生は、いつでも綺麗に見えるものですからね。いい所だけを見ていることは難しいですが、なるべくそうして気楽に生きていくのが、長生きする秘訣なのかも知れませんね。