週末のささやかな贅沢

バンクーバーの冬は雨続きです。朝から晩まで、しとしとしとしと、雨が降りつづけます。この雨を Vancouver Rain と呼ぶ人もいるほどで、本当に雨ばかりが続きます。天気予報も、雨と予想しておけば8〜9割方あたります。

前にも書きましたが、この雨のせいでバンクーバーにはうつ病の人がたくさんいます。北米で一番だそうです。確かにこれだけ天気が悪ければ、ちょっとした事で気分が憂鬱になります。

ご多分に漏れず今日も朝からずっと雨なので、気分を変えるために North Shore (お隣のノース・バンクーバー市) の方へフェリーに乗って行ってきました。このフェリーはバンクーバー市とノース・バンクーバー市を15分弱で結ぶ通勤の足となっていて、市内バスのチケットでそのまま乗れます。地域が違うので平日は追加料金が必要なのですが、週末や祝日は追加料金なしで乗ることができます。チケット1枚の制限時間は1時間半。これだけあれば、フェリーで North Shore に出かけ、多少の用事を済ませて帰ってきても十分です。

ノース・バンクーバーの埠頭にはパブリック・マーケットという市場があり、新鮮な魚介類や野菜、果物などを買うことができます。バンクーバー市内にも、グランビル・アイランドに大きなパブリック・マーケットがありますが、North Shore には他にはないお店があるんです。それは市場の一番奥にあるスープ屋さん。どこにもあるようで、ここのスープは一味違います。

店で出すスープは、毎日3種類のみ。その日によって3種類のメニューは異なりますが、どれを食べても美味しいのです。サイズは M と L (M の約2倍) がありますが、値段はそれぞれ3.50ドルと5ドル。もちろん、いつも L サイズを頼みます。

このスープと、市場の入り口にあるお店でサーモン・バン (サーモンを山盛りにしたパン) かクラブ・バン (フェイクのカニをメインに山盛りにしたパン) を買って食べるのが、週末の楽しみです (毎週じゃないですけどね)。ちなみに今日はクラブ・バンを頼みました。

残念ながら写真は撮ってないのですが、日本から来た人を連れて行くととても喜ばれます。週末はいつも混んでいるのですが、今日は雨のためか空いていたのでゆっくり味わうことができました。

夏の間は海の景色を見るだけでもフェリーで渡っていく価値があります。時期によっては大道芸やジャズの生演奏に触れることもでき、美味しいスープとバンを食べれば幸せな気分になります。冬のこの時期は食べることだけになりますが、それでも十分価値はあると思います。もう何年も通ってますが、このスープとバンだけは全然飽きないですから。これって、日本ではなかなかできない贅沢なんでしょうね。また来週行かねば。