抗生物質はいいか悪いか

今日は、毎月「例会」と称していろいろなお話などを伺いにいくお楽しみの日でした。以前からお世話になっているご夫妻のお宅にお邪魔して、Deja が大学で専攻していた天文学や物理学のこと、インターネットやパソコンのこと、日本やカナダの政治、経済、歴史について、さらには近所のレストランやセールの情報交換からお孫さんの話題に至るまで、とりとめもなく話をして盛り上がる何でもありの楽しいひと時です。

この例会では、奥さんの美味しい手料理に舌鼓を打ちつつ博学のご主人に面白い話をたくさん聞かせていただくのですが、今日もいろいろ勉強になることを教えていただきました。その中で抗生物質についての話がとてもタメになったので、ちゃっかりここで披露しちゃいます。

ある大学の病院長まで務めた知り合の方に直接聞いた話だそうですが、抗生物質を飲んだからと言って、あとで効かなくなるということは一切ないそうです。それは、抗生物質は細菌などを「殺す」のではなく、あくまで「増殖を抑える」だけのものであって、体内にある善玉菌が増殖できない菌をやっつけるための手助けをするものだからだそうです。しかも世にある抗生物質とは、自然界に存在する一種の「カビ」や「細菌」を採取して、それがどの細菌に効くかを毎日のように製薬会社が試験を繰り返し、安全を確かめた上で薬として処方できるようにしたものだそうです。その結果として現在世界で使用できる抗生物質は、わずか300種類程度だそうです。

よく「薬を飲み慣れてしまうと、後で効かなくなるからなるべく飲むな」などと言われますが、
それは間違い
だそうです。人が抗生物質を飲んだからと言って、抗生物質が効かなくなる体質になることはないそうです。実際は抗生物質自体」が細菌に対して効力を失うことがあるとのこと。つまり、人が薬を飲むか飲まないかはその薬が効かなくなるかどうかとは無関係で、薬自体が細菌に対して効力を無くすかどうかということだそうです。勉強になりますね。しかも説得力のある話。そして、医者が処方した抗生物質は必ず飲むようにすべきなんです。また、出された分を最後まで、決められた期間内に飲むようにすることも大事です。医者はこれを分かって抗生物質を処方している訳ですから。

また、飲み終わってもまだ完治してない場合、勝手に同じ薬を飲みつづけてはいけないとも。これは、最近の抗生物質は身体に2週間程留まるものもあるからだそうです。知らなかった!薬を飲む時は、ちゃんと医師や薬剤師に確認を取ってから飲みましょう。

余談ですが、その先生がおっしゃるには、つい2、3年くらい前までは、刺身に抗生物質のスプレーを吹きかけて長持ちさせているスーパーなどもあったとか。細菌の繁殖を抑えられるため、腐食を防ぎ、鮮度も長持ちさせて、味が落ちることも遅らせるという、まさに(売り側にとっては)いいことだらけのスーパーテクニック(一応洒落を入れてみました・・・失礼!)。目に見えず、臭いも味もないので、みんな知らずに食べていた訳ですね。でもそういうことをすると、細菌に耐性ができてしまって、その抗生物質が役立たずになってしまうというしっぺ返しもあります。やはり鮮度を長持ちさせるものではなく、早く食するのが一番ということですね。

ということで、今日は抗生物質についてのお話でした。