カナダ、1958年来の超低金利時代に!

えーと、今日のトップニュースは言うまでもなくオバマ氏が第44代アメリカ合衆国大統領に就任したことなんですが、それと同じくらい個人的に大きなニュースだったのがこの利下げです。今朝、カナダ中央銀行は、公定歩合の50 basis points (=0.5%) 引き下げを発表したんです。

その結果現在の公定歩合は1958年以降最低となる1.20%になりました (ちなみに1958年当時は1.12%だったそうです)。

昨年10月に50 basis point rate、12月には75 basis point rate 下げた上に、今回も50 basis point rate の下げ幅ですから、わずか3ヶ月間で1.75%も下がった訳ですよ。すごい下げ方ですよね。しかも2007年12月から見れば、トータルで3.5%下げたことになります。この時点で景気後退が始まってたんですから、そろそろ底を打ってもらいたんですが。。。

今回は市場の予測として25 basis point rate くらいだろうと見られていただけに、政府が思い切った舵取りをしないとダメだと判断したんでしょうね。ゆれ続けているカナダ国会の求心力回復のため、このところパッとしないハーパー首相が圧力を掛けたんでしょうか。政情不安も経済にはダメージとなりますから、しっかりしてもらいたいもんです。

オバマ氏の就任と発表が重なったのはたまたまだったと思いますが、カナダの長期金利はこの発表を受けてさらに上がり、一方のアメリカの長期金利は下がっています。これはカナダの景況感が悪くなると市場が読んでいるということの現われで、アメリカは (オバマさんに期待して) もうすぐ回復基調に乗ると楽観視してるってことなんでしょうか。



さて、ここで問題になるのは、モーゲージ (住宅ローン) の金利です。昨年10月の時は、カナダ中央銀行が50 basis point rate 下げたのに、各商業銀行はその半分の25 basis point rate しか下げず問題になりました。結局商業銀行各社は中央銀行からの圧力や世論に押される形で追加利下げを行い、合計で50 basis point rate 下げることになりました。 (ただしモーゲージ・レートはこのままの数字で下がる訳じゃないですが。)

そして12月は、カナダ中央銀行が75 basis point rate 下げたのに対し、商業銀行が下げたのは50 basis point rate どまりでした。

まあ、前にも書いたとおり、一般市民としては商業銀行も中央銀行に追随して同じポイントだけ下げて欲しいんですが、ここまで下がってくると銀行としても商売にならなくなってしまうでしょう。多少レートの差が出てきても仕方ないかなと感じてます。何せ、つぶれたしまったら元も子もないんですから。

で、結局今回はどうなるのかというと、各商業銀行は中央銀行と同じ50 basis point rate 下げると発表しているようです。モーゲージの利率については、ある銀行は30ないし50 basis point rate 下げてるとか。出来るのなら、目一杯50 basis point rate 下げてもらいたいものです。実際に下げるのは、たぶん週後半か来週になるんでしょうけど。

それでは、今すでにモーゲージを持っている人にはどう影響してくるのか? これはそのモーゲージの契約内容によるんですが、例えば半年とか1年といった短期のプランで契約している人の場合、すぐに次の更新がくるので、その時に低い金利のプランに乗り換えられます。また金利に連動するプランの場合も、今回の利下げで支払いが少なくなる訳です。

では、金利固定プランの場合はどうでしょうか。基本的には、契約時のレートに固定されているので、銀行の金利が上がろうが下がろうが影響されません。今回の場合は、ちょっと損したことになります。

ただ、特別な条件があれば話は別です。うちの場合、固定金利のプランなんですが、途中で金利が劇的に下がった場合、違約金なしで新しい低金利のプランに「移行」できるんです。移行というのは、それまでのプランを解約して新たに新規プランに乗り換えるのではなくて、残りの期間だけを新しい金利で計算するってことになります。つまり、それまでの高い金利の残高はそのまま組み込まれるので、完全に低い金利になる訳じゃないんですが、それでも節約効果は大きなものです。

うちはまだまだ大きな金額のモーゲージが残っているので、わずかな利下げでも、トータルで支払う利息額は大きな違いになります。なので、今回の利下げは、オバマ新政権の誕生と同じくらい大きくてうれしいニュースなんです。でも、いつまでもこんな低金利のままじゃまずいですけどね。

今年に入って、天候も悪いし (ダウンタウンは今日も霧です)、雪もすごかったし、雪崩や洪水で大きな被害も出ているし、仕事も減ってロクなことなかったんですが、ようやくほっと一息つけるニュースがダブルで入ってきたという感じです。不況や不安定な国際情勢が、安い金利と、変化を掲げる大統領の誕生に繋がったと思えば、ある意味苦労の甲斐があったなという感じです。



ところでオバマ新大統領、宣誓の時にちょっとつっかえてしまいました (笑)。型破りなこの人でも、やはり緊張するんですね。ちょっと人間味があってほほえましい感じでした。その後、次女がグ〜サインを出してパパを褒めていたところも、普通の感覚を持っている家族なんだなという気がしました。ま、どこかの世間知らずのおぼっちゃま首相とは・・・ (略)

それから、オバマ新大統領が就任演説をしている最中にブッシュ元大統領がちらった写ったんですが、苦笑いしてるような感じでした。オバマ氏が「チェンジ」、つまりブッシュ政権のしてきたことを含めて世の中を変えて行こうと宣言する中、ブッシュ氏は自分のしたことに何を思っていたんでしょうね。

ともかく、今日は本当に新しい年を迎えたような気がします。何より、悪夢だったブッシュ政権の8年が終わったことが、すがすがしい気持ちにさせてくれます。あとはどこの誰がやめるべきか、言わずもがなですが、本人は分かってないようですしね。世界から取り残されないようにしないと大変なことになっちゃいそうだなぁ。

で、結局日本の選挙はいつなんでしょうか?