想像以上の不況

噂ほどひどくはなかったものの、やはりマイクロソフトが人員削減を発表しましたね。

マイクロソフトのプレスリリース:www.microsoft.com/presspass/press/2009/jan09/01-22fy09Q2earnings.mspx

昨年末から、今月15日に最大で1万5000人規模の人員削減が行われるだろうなどと言われていましたが、当日は特にこうした動きはなく、不動産などの資産を調整することでリストラを遂行していくと発表していました。過去に人員削減を行ったことがない会社なので、好き嫌いは別にして、さすがだなと感心していたのですが、やはりこの不況には勝てなかったようです (それでも利益は出してますけど)。

IT 業界だけでなく、家電業界のソニーも3000億円に迫る赤字を出し、自動車業界で世界一となったトヨタも同規模の赤字に転落しています。100年に一度の不況とは言われていますが、さすがにここまでひどいとは誰も想像できなかったのではないでしょうか。回復するまでには、10年単位の時間がかかるでしょうね。

もちろん、翻訳の仕事にも影響は出ています。特に大型の仕事が減り、予定されていた案件 (つまり翻訳すべき対象は存在しているもの) も延期されたりキャンセルされたりで、かなりきつくなってきました。

大手 IT 企業の仕事をいくつかやっていたんですが、吃驚するくらい案件がなくなりました。マニュアルなどはどうしても翻訳しなければならないはずでしょうが、紙媒体をやめてオンライン・マニュアルにしたり、外注せず社内で翻訳したりと、いろいろ経費削減に向けた取り組みをしているんでしょう。そして下請けは、いつも振り回されるだけです。

幸い、昨日からまた仕事が来たんですが、数日で終わってしまうような規模のため、better than nothing という慰め程度にしかなりません。レギュラーでやっている仕事だけではとても食っていけません。いやー、ほんと厳しいですね。



こんな中、アップルは過去最高の決算となり、一人勝ちの状態です。スティーブ・ジョブス CEO の健康問題があるとはいえ、こうした環境でも、どん底から這い上がってきた会社は強いんだなと思い知らされました。今回の不況でも、何とか生き残った会社は、これから先も伸びていくんでしょうね。

とはいえ、毎日の生活があるわけで、先のことよりも今生き残ることを考えないといけません。元々不安定な収入のフリーランスという船に乗っていては、この荒波で簡単に沈んでしまいかねません。長年の付き合いがある取引先という命綱なんかがあっても、いつ切れるか、切られるか分からないですしね。逆に、一緒に引きずり込まれて溺れる可能性だってあるし。

となると、緊急にプラン B を考えておく必要が出てきます。1つの仕事に賭けるのは危険なので、2足のわらじを、いや、場合によっては3足も4足も履いたほうがいいかも知れません。もちろん、それを長く続けることは難しいですから、緊急避難的な意味合いが強いのですが、今はなりふり構ってられないというのが実情です。

そこで問題なのは、2足目にするわらじを何にするかですね。実は少し前から真剣に考えているんですが、確実に収入を確保できる仕事でないと意味がありません。せっかく就いた仕事先が潰れたり、レイオフされたんじゃ困りますから。なのでまずは (簡単な) 資格を取ろうかと考えたりしてます。そういう仕事の方が、多少は安定性を見込めると思うので。

ま、翻訳者として翻訳そのものができることは当然ですが、フリーランサーとしては、それだけでは生き残れないってことです。その点、今までは運が良かっただけかも知れません。今日で18日連続となったダウンタウンの濃霧のように、いつ目の前が見えなくなり、それがいつまで続くのか、フリーランスの身分では分からないですからね。

今は、モーゲージの支払いを最優先して、家を守るために、なりふり構わずやっていくしかないようです。そういう人は今、世界中に沢山いるでしょうから、お互いに頑張っていきたいものですね。